自分の声が嫌いでコンプレックスになっている方へ【大阪/マンツーマン話し方教室】
ご覧いただきまして、ありがとうございます。
ビジネスパーソンのための「声と話し方の教室」講師の砂川顕子です。
いきなりですが、皆さんは自分の声が好きですか?
私は・・実は好きではありません。
透明感のある、高くてきれいな声の人に会うと、
「いいな~」と、ついつい羨ましく思ってしまいます。
ずっとアナウンサーの仕事をしてきたとはいえ、
私の声は、特徴もなく、
取りたてて透明感があってきれいな訳でもなく、
いたって普通なんです。
私も若い頃は、
ボイストレーニングを続けていったら、あんな風に高くてきれいな声になるかも!
と思っていた時期がありましたが、
自分の声が、憧れの誰かの声に変わることはありませんでした。
当然ですね。
声は、顔や体と同じく「持って生まれたもの」です。
声帯の長さ(太さ)によって、声の高さが決まります。
声を響かせる「体」
「頭蓋骨の形」
「口の大きさ」
「顎の大きさ」
などなど、全部違います。
ですから、自分の声は、自分の声として受け入れるしかありません。
「他の誰か」みたいな声にはならないのです。
ですが、自分の声を磨いていくことは確実にできます。
私の場合、か細い声だったのが、
よく通る声を出せるようになりました。
カラカラと軽い声だったのが、
落ち着いた、説得力のある声を出せるようになりました。
それによって、できる仕事の幅も増えましたし、
自分の印象も大きく変わりました。
また、自分は「声の美しさそのもの」で勝負できるわけではないので、
表現力を磨いたり、
「伝える」技術を磨いたりしてきました。
そして、自分の話が「伝わる」ようになると、
「声そのものの美しさ・透明感」などは、話す上で問題ではないと気付きました。
自分の声が嫌いだったり、声にコンプレックスがある方も、
声を磨き、声の印象が変わることで、
嫌な思いは薄れていくと思うのです。
では、私がよく聞く”声についてのお悩みやコンプレックス”をご紹介しましょう。
- <女性>「声が低いので、もっと高く明るい声になりたい」
- <男性>「もっと低く太くて、よく響く声になりたい」
<女性>「声が低いので、もっと高く明るい声になりたい」
まず、女性のお悩み場合、
本当にその人の本来の声は低いのか?という診断が必要です。
どういうことかと言うと、本来の声はそこまで低いわけではないのに、
- 呼吸が浅くて話す時の息の量が足りていない
- 話す時に口角が下がっている
- 話す時に軟口蓋(口の中の上側)が下がっている
- 声帯やのどが常に乾燥している
などの原因で、
低くて暗い声になってしまっている場合があるからです。
そういう方は、話している中で、
ふと笑って放った一瞬の声が、高くてよく響く明るい声だったりもするのです。
でもそれは聞き逃してしまうほど一瞬で元に戻るので、
全体的な印象としては、「低くて暗い声」となってしまうんですね。
ですから、低く暗く聞こえている原因を取り除いていくことで、
高く明るい印象の声に変えていくことが可能です。
ただ、歌の高音パートのように、無理に「高い声」を出すことはお勧めしません。
あくまでも、その人が一番ラクに出せてよく響く声の高さで話し、
明るい性質の声にしていくのです。
「低い声」と「暗い声」は同じではないことを分かっていただきたいと思います。
低めの声でも
「よく響く、明るく、あたたく、つやのある声」
で話すことはできます。
自分の「声の高さ」ではなく、
「声の響き・声の質」に目を向けて改善していけば、
印象がガラっと変わると思います。
<男性>「もっと低く太くて、よく響く声になりたい」
男性の場合は、
か細い声・軽い声をコンプレックスに感じていらっしゃる方が多いようです。
ビジネスなどで説得力が出なかったり、
貫禄がない印象になったりしがちですからね。
男性の場合は
- 話す時の息の量が足りていない
- 力む、テンションが上がる、緊張することで声が上ずる
- のどを絞めている
ことで、か細い声・軽い声になっている方が多い印象です。
その人にとって少し低め声での発声訓練をしていくのが効果的です。
実は、少し低めの声というのは、
のどが開いて、良く響く声を出しやすいので、
発声訓練には最適なのです。
話の中で声が低くなる部分を、
訓練したように、少し低めの声で話すようにすると、
全体の印象がグッと変わります。
日本語は、一文の中のイントネーション(波)で、
声の「高い」「低い」があります。
例えば、
『昨日から良い天気が続いています。』
という一文の中で、
『昨日』という単語より、『から』という助詞は、声が低く↓なります。
また、文末「続いています」は、声が低く↓なって、話が収束していきます。
このように、話の中で、声が最も低く下がる部分で、
訓練したような、少し低めの声がよく響くだけでも、
どっしりとし落ち着いた印象になり、
か細くて軽い声という印象が改善されます。
また、少し低めの声で習得した「響く感覚」を、高めの声でも使えるようになれば、
全体的に太く・良く通る声に変わっていきます。
このように、本来の声そのものを変えることはできませんが、
- 暗い声
- 軽い声
- か細い声
- 子供っぽい声
などの、声の性質を変えて、
声を磨いていくことはできます。
声が、”低い・高い”というのは、実際の音の高さではなく、
声の印象(響き)でそのように聞こえていることもあるのです。
話す時の声は、歌とは違って、
音階(絶対的な音の高さ)は重要ではありません。
高い声・低い声が出ないからといって、問題ないのです。
自分がラクに出せる音域の中で、
高い声・低い声を自在に使って、表現できるようになれば良いのですね。
話し声を磨いて、
「自分の声が好き」とまではいかずとも、自信を持って話せるようになる人が、
一人でも増えてほしいと思っています。