滑舌が悪いんじゃない、伝えようとする気持ちがないんだ!【大阪/マンツーマン話し方教室】

ご覧いただきまして、ありがとうございます。
ビジネスパーソンのための「声と話し方の教室™」講師の砂川顕子です。




今回は、

「自分は滑舌が良くないんじゃないかな?」

と感じられていたり


「ボソボソ・モゴモゴ喋っている」

と指摘されたり、自覚があったり


「話していると、よく聞き返される」

「言葉が伝わっていない気がする」

という人に向けて、書きたいと思います。



今回の内容を動画でご覧になる場合はどうぞ↓





実は、滑舌が明らかに悪い人って、

私の肌感覚では、ほとんどいらっしゃらない印象です。


それは、教室に相談に来られる方を見ても、そう思いますし、

これまで世間で出会ってきた人たち

(一度きりしか会っていない、お店の店員さん等も含めて)

を見ての感想です。





私の中で、滑舌が明らかに悪い人というのは、

「ら」が、「た」に近い音に聞こえたり

「そ」が、「と」や「つぉ」と聞こえたりするような、

発音の操作(舌の動き・舌の位置・口の中の摩擦の場所など)

がうまくいっていない人です。




人それぞれ、苦手な発音がありますが、

たった一音だけきれいに発音できない、という状態なら、

話全体としては、さほど気にならない場合もあります。



それが、複数の音の発音がうまくできていないとなると、

明らかに滑舌が悪いと言えるでしょう。






ですが、先述のとおり、

そこまで滑舌が悪い人は、少ないのです。




では、ボソボソと喋ってしまう人や、

言葉が聞き取りづらくて

聞き返されてしまう人、聞き流されてしまう人は、

「滑舌が悪い」わけではないのでしょうか?




結論から申し上げると、

元々の滑舌が悪いのではなく、

一時的に滑舌が悪く「聞こえてしまっている」状態
です。




そのような人は、例えば、

耳の遠いお年寄りと話そうとすると、

おそらく、はっきりとした滑舌になるはずなんです。



いつもより大きな声を出して、

ゆっくり喋っているだけのように感じるかもしれませんが、

実は、滑舌も改善しているのです。






または、iPhoneのSiriなど

音声認識ソフトに対して話す時も同様でしょう。



一発で言葉を認識してもらおうとするので、

いつもより、はっきりと話しますよね。








そのほかにも、

日本語のヒアリングが完全ではない外国人に対して

日本語で説明しようとするときや、

3歳くらいの子供に対して言い聞かせるときに、

同じことが起こるでしょう。






これらの場面で共通しているのは、

自分が発する言葉を、相手に確実に届けよう!理解してもらおう!

という想いを持って、言葉を発していることです。




この「届けよう!・伝えよう!」とする意識を持つだけで、

自然と、変わることがあります。


それは、言葉を発するときに、

  1. 息をたくさん使う

  2. 口(口の中)が動く

  3. 発音が少しゆっくりになる

という体の変化です。




心と体は密接につながっていますから、

気持ち・想いが変わると

体が無意識に動いてくれるようになるんですね。



1.息をたくさん使う

息をたくさん使って声を出すと、当然大きな声が出ますが、

滑舌もはっきりするのです。






いつも弱い息で喋っている人は、

必然的に、滑舌もふにゃふにゃしてしまって

モゴモゴ・ボソボソと聞こえやすい
です。



弱い息(浅い呼吸)だと

話す時に、口が自然と動いてくれないからです。



2.口(口の中)が動く

言葉を届けようとする気持ちを持つと、

自然と口や、口の中が動いて

言葉がはっきり聞こえるようになります。



口の中の軟口蓋(上あごの部分)が動いて

口の中の空間が広くなると、

明るく、ハリのある声になりやすい
ので

相乗効果で、生き生きと、滑舌良く聞こえます。






3.発音が少しゆっくりになる

普段、口の中をほとんど動かさずに言葉を発しているために、

言葉の一音一音の発音が

速く雑になってしまう場合が多いです。




話全体としては、間(ま)を取ってゆっくり喋っているのに、

言葉を発音するスピードが速いために

言葉が聞き取りづらくなることもよくあります。



『決定的な証拠に』という言葉が、

発音が速すぎて雑になってしまうせいで

『ケテキナショクニ』のように聞こえてしまったりするのです。




一音一音の発音が丁寧になると、

それだけで滑舌が良く聞こえます。







これらの体の変化が、

「無意識に」「自然と」

起こって、滑舌が良くなる
わけですから、

話をする時に

自分が発する言葉を

相手に確実に届けよう!理解してもらおう!

という想いを持たないという選択肢はないはずです。




滑舌良く話したい

印象良く話したい

ハキハキと話したい

という方は、早口言葉や50音などの練習をするのもいいですが、


それ以前に、

自分が発する言葉を、なんとか聞き手に伝えよう!

という気持ちを強く持って、話をするほうが、

滑舌改善への近道だと思います。