ビジネスや人前で話す時に「言葉の神様」が降りてくるには【大阪/マンツーマン話し方教室】
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ビジネスパーソンのための「声と話し方の教室™」講師の砂川顕子です。
プレゼンテーション・セミナー・スピーチ・発表など
ビジネスや人前で話すことに自信がない方・慣れていない方は、
「頭が一瞬、真っ白になる」
「良い言葉が瞬時に出てこない」
とおっしゃることがあります。
特に、突然話を振られた時
思いもよらない質問をされた時
ハプニングが起こった時など、
想定外の出来事が起こると
緊張やプレッシャー・焦りなどから
とっさに言葉が出てこないことは、誰しも経験があるのではないかと思います。
また、私の経験上、
話しながらあれこれと頭で考えすぎて、言葉を選びすぎても
“良い言葉・最適な言葉”が出てこないものです。
私も、アナウンサーになりたての頃は、
「アドリブが弱い」
と言われていました。
想定外のことがあった時に
“うまい言葉”で対処できず、
周りをおかしな空気にさせてしまったこともあります・・・。
ですが、あるコツを掴んだら、
自分でも驚くほど
その状況に合った”最適な言葉・最適な話”が瞬時に出てきて、
どんな状況でも、対応できるようになっていったのです。
そんな時のことを、私は自分の中で
「言葉の神様が降りてきた」
と表現していました。
そうやって、最適な言葉がスラスラと出てくる時には、
「頭を悩ませず、気付いたら最適な言葉を口から発していた」
状態だったからです。
ですから、
自分のアドリブ力と語彙力を駆使して話した!という実感はなく、
まさに「言葉が降りてきた」感覚だったのです。
言葉の神様は、気まぐれで(笑)
降りてきてくれる時と、
全く降りてきてくれない(とっさに”良い言葉”が出ない)時がありました。
そして、経験を重ねるうちに、
言葉の神様が降りてくるには、条件があることが分かったのです。
言葉の神様が降りてくる条件とは?
言葉の神様が降りてくる時と
降りてこない時では、
自分の心の持ち方(思考)が全く違うことに気付いたのです。
言葉の神様が降りてくる時
つまり、その状況に応じた言葉がスラスラと出てくる時には、
- 自意識がない
- その状況に集中している
- 自分が聞き手のために存在している
という条件があるのです。
これら3つは、
本質的には同じことです。
1.自意識がない
自意識がないというのは、
「自分が良く見られたい」
「自分が良いことを言いたい」
「自分が失敗したくない」
「自分が何を話していいのか分からない」
「自分が言葉につまったと思われたくない」
など、自分自身に向かう意識が、ない状態です。
自意識がある状態で話していると、
頭の回転に”引っ掛かり”ができて
頭を使おうとする割には、言葉が出てこない感覚があるのですね。
2.その状況に集中している
集中力がないと、やはり頭の回転が良くなりません。
結果、ふと頭が真っ白になって
言葉が出てこなくなったりするのです。
緊張しやすい方は、
緊張感を、集中力に変えるつもりで話しましょう。
その状況に一生懸命だからこそ、緊張するのですから。
緊張してきたら、
「よし!集中できるぞー!」
と、前向きに捉えるのもいいですね。
また、集中して話しているつもりでも、
上記の”自意識”が邪魔をして、集中力が途切れてしまうこともあります。
私も、経験として、
せっかく集中して話せていたのに、
ふと目線の先に、”お偉いさん”を見付けると
「こいつ、下手だと思われるんじゃないか」
「うまく話さなきゃ!」
などの優等生的な”自意識”が芽生えて、
しどろもどろになる・・・こともありました。
自意識は、集中力を途切れさせる一番の敵なのです。
3.自分が聞き手のために存在している
集中して、自意識をなくして、
そして一番大切なのは
「聞き手のため」に話すことです。
“話す”ということは、必ず聞き手がいるはずです。
伝わらない話・理解が進まない話をしてしまうと、
聞き手に、非生産的で疲れる時間を与えてしまいます。
話の上手い・下手に関わらず、
「聞いている人のために、今ここにいて、話す」
と決めることです。
このように、
「自分のことではなく、聞き手のために集中する」
ことで、
頭の回転のストッパーが外れたように
スラスラと話が出てくるという経験をたくさんしてきました。
私たちは
文章や他人の話を理解するだけの語彙力をすでに持っていますから、
それが、本当に必要な時には
ちゃんと”降りてきて”くれるのかもしれません。
もちろん、聞き手のために集中して自意識をなくすためには、
事前の準備や練習も大切です。
だからこそ、
「自分のことは大丈夫!聞き手のために集中しよう!」
と、決心できるのですね。
自分の言いたいことだけを、ペラペラと話したからと言って、
聞き手と心がつながっていなければ(伝わっていなければ)
言葉の神様の仕業ではありません。
言葉の神様が降りてきた時には、
聞き手と心がつながって、その場の空気が温かくなって、
自分も、聞き手も、満たされた時間になるのです。