人前でハッキリ話そうとして、逆に滑舌悪くなっちゃう事例【大阪/マンツーマン/ボイトレ・話し方教室】

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ビジネスパーソンのための「声と話し方の教室」講師の砂川顕子です。

ビジネス向けボイストレーニング・話し方教室。
プレゼンテーション、スピーチ、発表、セミナー、司会、ファシリテーション、商品説明、動画撮影、会議での発言等のスキル向上!

発声、滑舌、抑揚、話の組み立て、言いまわし表現等、ビジネスで必須の”話すスキル”をつけて伝えたいメッセージを自信を持って表現しましょう!

今回の内容を動画でご覧になる場合はどうぞ↓


人前やビジネスなどで話す時には
やはりハキハキと話したいですよね!


でも、その想いと意識が
逆に”おかしな滑舌”を招いていることもあるんです!



普段、ハキハキ話していないなぁ…
という自覚のある方や、

印象良くしっかり話さなきゃ!
と思っていらっしゃる方に起こりがちな
人前で話す時の注意ポイントを今回はお伝えします。

“ちゃんと”話そうとすると、どうなりますか?

プレゼンやスピーチなど
人前でしっかりと話そうとする時、

特に、原稿を見ながら、滑舌良くハッキリと話そうとする時に
次の言葉をどんな風に発音しますか?


『経営会議(けいえいかいぎ)』

『交渉(こうしょう)します』




ひらがなの”読み”通りに発音しようとすると
すごーく発音しづらいのではないでしょうか?





実は、これらの言葉は
「ひらがな表記」と「読み」が違っているんです。



声に出す時には

『けーえーかいぎ』

『こーしょーします』


と、伸ばして発音するほうが断然言いやすいし、
聞き手にも伝わりやすいのです。



恐らく、皆さん
普通に会話をする時には
『ー』伸ばす音(長音)で
無意識に発音しているのではないでしょうか。





ですが、人前などでしっかり話す!という時には
『ー』で伸ばすのが

  • 日本語としてしっかり発音しないで喋ってしまっている
  • 普段適当に話している時みたいに発音してはダメだ

という感覚になってしまって、

日本語の表記どおりに
『け
『こしょ

と発音しようとしてしまう人が一定数いらっしゃいます。


まさか、日本語に
『ー』伸ばす音があるなんて!
という方もいらっしゃるかもしれません。
(『ー』は、カタカナ語・外来語のイメージですよね)





ひらがな表記とは違っても、
普段、話している時と同じように発音してOKなんです!



では、どんな時に『ー』伸ばすのか?
どんな時は伸ばしちゃダメなのか
まとめていきましょう。


1.単語の中の「e段」+「い」は伸ばしてOK!

『経営』は一つの単語ですね。

ひとつの単語の中に、
「母音がe段の音」の次に「い」が来る場合は
『ー』と伸ばして発音
します。

『けいえい』いずれも
e段の「け」「え」の後に「い」が来ていますね。



この他にも
『精鋭(せ)』
『命令(め)』
『衛生(え)』
『停滞(てたい)』(1つめの「い」のみ該当)
なども同様に、「ー」長音で発音します。





反対に、
別の単語がくっつくことで「e段」+「い」になっている場合は
長音にしてはダメ
です。


例えば
『手痛い(ていたい)』

「手」と「痛い」は別の単語ですから
『てーたい』と発音してしまうと
前出の『停滞』などと聞き間違えられたり
意味が通じなかったりする恐れがあります。


長音にしてしまうことで
逆に滑舌が悪く聞こえて
しまいますので
気をつけましょう。


2.単語の中の「o段」+「う」は伸ばしてOK!

2つめ条件の場合も、考え方は同じです。

『交渉』というひとつの単語のなかで
「こ」「しょ」という母音がo段の後に「う」が来たら
『ー』伸ばして発音します。


その他の言葉では
『競争(きょ)』
『向上(こじょ)』
『了承(りょしょ)』
『将来(しょらい)』
なども同様に、『ー』伸ばして発音します。


お名前の
『佐藤(さと)』
『幸四郎(こしろ)』
なども同様に
『さとー』
『こーしろー』
で大丈夫です。





反対に
別の単語がくっつくことでo段+「う」になっている場合は
伸ばしてはダメ
です。

例えば
『お家(おうち)』

「うち」というひとつの単語に「お」が付いていますから
『おーち』のような発音になってしまっては
滑舌が悪く聞こえます。

ここでは『おち』と
「う」をしっかりと発音しましょう。


3.単語の中で、一つ前と同じ母音が付く場合も伸ばしてOK

最後は、ひとつの単語の中で
同じ母音が付く場合です。


例えば
『大きい(おきい)』
『小さい(ちさい)』
『数値(すち)』
では、

「お」の後に同じ母音の「お」
「ち」の後に同じ母音の「い」
「す」の後に同じ母音の「う」
が付いていますから、「ー」伸ばしてOKです。



これは、皆さんあまり疑問に思われずに
発音されているところかもしれませんね。


長音を発音する時の注意点

さて、ここまでで
話している中には、たくさん「ー」長音が出てくることに
気付かれたでしょう。


長音は、伸ばすだけなので発音はラクなのですが
話す時には、ぜひ気を付けていただきたいポイントがあります。





それは、
長音は短く発音してしまいやすい
ということです。



前述の例で説明しますと
『経営会議(けーえーかいぎ)』
『交渉します(こーしょーします)』

と言う時に、

伸ばすところが短くなってしまって
『けえかいぎ』
『こしょします』

のように発音してしまうことが本当に多いです!


せっかく長音を使って
聞きやすく発音したところが、
短くなると、ものすごく滑舌が悪く聞こえてしまうんです!





「ー」長音は
しっかりと一音分伸ばして発音するように意識しましょう。



長音にする条件について説明しましたが、
実際に話す時には
頭であれこれ考える必要はなく

普段話している通りに発音すれば良いです。


ただ、伸ばすところが短くなってしまわないようにだけ気を付けてください。


長音をしっかりと伸ばして話しているだけでも
滑舌良く、言葉がハッキリと聞こえるようになりますよ。