PREP法の罠!”説得力がない話”・”根拠が弱い話”・”薄っぺらい話”ってどういうこと?【大阪/マンツーマン/ボイトレ・話し方教室】
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ビジネスパーソンのための「声と話し方の教室」講師の砂川顕子です。
ビジネス向けボイストレーニング・話し方教室。
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私が教室のレッスンで、受講生さんの話(スピーチ)を聞いていて
「根拠が弱いために、話の説得力がないなー」
「薄っぺらい話になっているなー」
という感想を持つことがあります。
“根拠が弱い”と感じるのは
次のようなお話(スピーチ)に対してです。
根拠が弱いと感じてしまう話(スピーチ)の例
①
『私は、接客の仕事が好きです。
なぜなら人と接するのが好きだからです。
大学卒業以来、ずっと接客の仕事をしてきました。
ですから、これからも続けていきたいです。』
②
『私は、仕事でのストレスは、あまり感じません。
ストレスには強い方だと思うからです。
寝て起きると、嫌なことも薄らいでいます。
なので、普段、特にストレス解消はしていません。』
③
『目標を達成するには、努力を続ける必要があります。
努力は裏切らないからです。
努力できない人は、結果が伴いません。
目標を達成できている人は、もれなく努力しているのだと思います。』
上記では、一応PREP法と言われる構成になっていて、
いずれも
- (1行目)結論
- (2行目)根拠・理由
- (3行目)事例・エピソード
- (4行目)結論
という順序で話したものです。
PREP法で話すと
論理的に、分かりやすく話せるということで
多くのビジネスパーソンが
PREP法に則って話を構成しようとされているかもしれません。
ですが、構成の法則にだけ則っても
上記のように”根拠が薄い”・”説得力がない”話に
なってしまうのです。
根拠の考え方①②の場合
PREP法では、
先に「結論」を述べた後に「根拠」を後から述べますが、
ここでの「根拠」は
聞き手が当たり前に想像しうる根拠だと、
薄っぺらく感じられてしまいます。
例えば上記の例の①で
『私は、接客の仕事が好きです。(結論)
なぜなら人と接するのが好きだからです。(根拠)』
『接客の仕事が好き(結論)』⇒『人と接するのが好き(根拠)』
なのは、まぁそうでしょうねぇと当たり前に想像し得ますよね。
ある意味、同じことを2回言っているとも取れます。
このように、至極当たり前のことを根拠にしてしまうと
根拠になっていない薄っぺらい話
に聞こえてしまうんです。
②でも同様ですね。
『私は、仕事でのストレスは、あまり感じません。(結論)
ストレスには強い方だと思うからです。(根拠)』
『仕事のストレスをあまり感じない(結論)』⇒『ストレスには強い(根拠)』
なのは、わざわざ言わなくても、当然そうだろうと想像が容易いことで
同じ意味のことを言い換えただけ、と思われても仕方ありません。
そこで「根拠」には
- 『接客の仕事が好き(結論)』⇒『人を笑顔にすることにやりがいを感じるから(根拠)』
- 『仕事のストレスをあまり感じない(結論)』⇒『前向きな性格で、どんなことでもポジティブに捉えるから(根拠)』
など、その人ならではの具体性が必要です。
そして、その後の「事例・エピソード」では
根拠をさらにを裏付けるような、より具体的なエピソードが必要になります。
納得感のある話(スピーチ)の例
①
『私は、接客の仕事が好きです。
なぜなら人を笑顔にすることにやりがいを感じるからです。
少しクレーム気味でぶっきらぼうだったお客様が、私の話や提案を聞いて納得して、
最後は笑顔で「ありがとう」と言って下さった時、この仕事をやっていて本当に良かったと思えます。
ですから、これからも大好きな接客の仕事を続けていきたいです。』
根拠の考え方③の場合
また、③の例で見てみると
『目標を達成するには、努力を続ける必要があります。
努力は裏切らないからです。』
『努力は裏切らないから(根拠)』は、
「あなたの意見」であって
「全員にとっての事実ではない」ですよね。
努力しても叶わなかった経験をした人には
根拠にはなり得ないかもしれません。
だから、さも自分の意見を事実のように述べてしまって
「それはあなたの感想ですよね!?」と言いたくなるような
納得感のない話に感じられてしまうのです。
そこで根拠では
『目標達成するには努力を続ける必要(結論)』⇒『努力は裏切らない経験を何度もしているから(根拠)』
など、自分の意見・経験として語る必要があります。
そして、その後の「事例・エピソード」では
根拠をさらにを裏付けるような、より自分の具体的な体験談を述べる必要があります。
納得感のある話(スピーチ)の例
③
『目標を達成するには、努力を続ける必要があります。
なぜなら「努力は裏切らない」と信じられる経験を私は何度もしているからです。
例えば、私は大学受験で第一志望の大学に落ちて悔しい思いをしましたが、その分、皆が遊んでいる中で別の大学で勉強を続け、その姿を見ていた教授の推薦で、目標であった●●の研究チームに参加することができました。
たとえ第一志望に受かっていたとしても、それで満足して勉強をやめていたら、今の自分はいないでしょう。
ですから、最終的に目標を達成できている人は、もれなく努力しているのだと私は言えます。』
このように、PREP法に当てはめて話したとしても
根拠や事例(エピソード)によっては
- 論理性のない話
- 納得感のない話
- 薄っぺらい話
になりかねません。
安易な根拠やエピソードを述べてしまわないよう、
論理的・具体的「根拠」「エピソード」が述べられるよう
練習をしていきましょう。