話の組み立て方(話す順番)と、文章の書き方の違いとは②【大阪/マンツーマン話し方教室】
ご覧いただきまして、ありがとうございます。
ビジネスパーソンのための「声と話し方の教室」講師の砂川顕子です。
今回は、前回の記事の続きとして書いていきます。
前回記事を読まれていない方は
下記リンクよりお読みいただいてから、今回の記事にお進みください。
前回は、
- “文章”=「文字」(目で見る・残っている情報)
- “話”=「音」(一瞬で消えて残らない情報)
というそれぞれの特性から、
「話す時」は、「文章を書く時」よりも
“情報を発する順番”をより精妙に考える必要がある
という内容でした。
そして話す順番として、先に概要を明示しないと、
聞き手が“話の迷子”になってしまう例題をご紹介しました。
今回は、
話す順番によって、聞き手の“興味を惹きつける”ことができる例
をご紹介します。
では、次のような文章(文字)があるとします。
例題2:文章(文字)
当社のスマートフォンに搭載されている顔認証では、わずか0.1秒で顔を判定し、端末ロックを解除することができます。
判定スピードと正確性において、世界トップの技術です。
上記の”文章(文字)”は、
見て(読んで)理解するには、特に問題はないと思います。
では上記を、
“話(音)”として、そのまま喋ったら、どうでしょうか?
そのまま話したとしても、
内容を理解するには、問題ないかもしれません。
ですが、情報を並べているだけのため、
「聞き手の興味を惹きつける話」にはならないでしょう。
それでは、同じ内容を、少し順序を変えて話してみましょう。
例題2:話(音)<聞き手の興味を惹きつける>
『当社のスマートフォンには、世界トップの技術が搭載されています。
それは、端末のロックを解除するための、顔認証技術です。
わずか0.1秒という速さで、正確に本人かどうか判定することができます。』
上記を、”話(音)”として聞いた時、
『世界トップの技術を搭載している』
という情報が始めに入ってくるので、
聞き手は
「どんな技術なのか?」
と詳しく聞きたくなるでしょう。
つまり、最初に興味を惹きつけることができるのです。
その後で
「なんの技術か」
「どんな技術か(詳細)」
という情報を話すことで、
聞き手の興味を惹いたまま
聞き手の知りたい欲求を解消していくことができます。
こうして、情報を出す順番を工夫することで、
“次をもっと聞いてみたくなる話”にしていくことができるのです。
これは、
同じ順番で“文章(文字)”を書いたとしても
“話(音)”ほどは興味を惹けません。
“文章(文字)”は、
- 何度も読み返すことができる
- 興味のある箇所だけ読むことができる
- 興味のある箇所から読むことができる
- 全体像をとらえやすい
という特性があるため、
「情報を出す順番」の効果が薄いからです。
このように、”話(音)”は
その一瞬・一瞬でとらえていく情報なので、
ただ単に情報を並べるだけでは
「分かりやすい話」にも「興味深い話」にもなり得ないのです。
もちろん、
「分かりやすい(おもしろい)文章」と
「分かりやすい(おもしろい)話」には
共通点もたくさんあります。
ですが、”文章(文字)”と”話(音)”のそれぞれの特性を認識したうえで
話す時には、一層“情報を発する順番”に気を使うと、
聞き手を”話の迷子”にさせない、”興味を惹きつける”話
にしていくことができますよ。
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