人前で話す時の基本的な心得【大阪/マンツーマン話し方教室】

ご覧いただきまして、ありがとうございます。
ビジネスパーソンのための「声と話し方の教室」講師の砂川顕子です。

 

今回は、スピーチ・プレゼンテーション・発表など人前で話す時に、

心に置いていただきたい基本的なことを書こうと思います。

 

人前で話すとなると、どうしても

  • 何を話そう
  • 緊張する
  • 失敗しないように
  • 上手く話せるように


という風に、

「自分」のことばかりに意識を向けがちです。

 

 

ですが、伝わる話をするためには、

「聞き手」のことを第一に考える

ことがポイントになってきます。

 

そこで、人前で話をする時の基本的な心得を、以下に挙げていきます。

 

 

  1. 「喋ること」と「伝えること」は違う

  2. 言葉は単なる「音」

  3. 人は、意識を向けたことしか聞こえない

1.「喋ること」と「伝えること」は違う

自分が言いたいこと(言うべきこと)を一生懸命喋っていても、

それが聞き手の心に届かなければ、

伝わったとは言えません。

 

聞き手は、話を最後まで聞いていたとしても、

話が終わった後に何も残っていないことがあります。

 

そういう時は、

声が「聞こえて」はいても、

心に「届いて」いない
のです。

 

 

プレゼンテーション・セミナー・スピーチなど、人前で話す時は、

状況的には、自分だけが話して

聞き手は基本的に聞いているだけです。

 

 

ですが、常に聞き手の反応や理解の度合いを感じながら、

見えないコミュニケーションを取る
ことが重要です。

 

 

コミュニケーションはキャッチボールです。

 

自分の投げかけた言葉を、

聞き手が受けて、反応が返ってくる・・・。

 

 

ここで言う「聞き手の反応」というのは、

聞き手の表情や動作や目線など、無言でも感じられるものです。

 

 

相手が受け取りやすいように投げる努力をすれば、

キャッチボールは快適に続けることができます。

 

 

  • 単に喋るのではなく、自分の言葉として心をこめて伝える

  • 聞き手の反応に合わせて、間(ま)やスピードを調整する

  • 何を伝えたいのか「意図」や「目的」をしっかり持ってから話し始める

  • どう話せば伝わるのかを、常に考えながら話を進めていく

ことを意識して、聞き手に届くように話しましょう。

 

 

2.話は単なる「音」

話は、単なる「音」である。

 

当たり前のことですが、あまり意識されていないことです。

 

 

目で見る文字なら、

読んでいくうちに分かりづらい表現があっても、

何度も読んだり、

少し手前から読み返したりすることで、

理解できることもあります。

 

また、漢字の文字は、

見た瞬間に意味が分かって、頭にも残りやすいです。

 

 

それに対して、

話は、一瞬で流れて消えてしまう「音」です。

 

聞き手は、途中で聞き取れなかったり、

分からない部分があったりしても、

巻き戻しできません。

 

会話であれば、聞き返すこともできますが、

「1対多」で話を聞いている人なら、

話が分からなくても、聞き返すことなく、

そのまま流してしまうでしょう。

 

 

そして、聞き手は、途中で話に付いていけなくなると、

続きの内容を聞くのが苦痛
になります。

 

もしくは、分かる部分の情報だけで、

一生懸命パズルを組み合わせるように理解しようとして、

疲れてしまいます

 

 

そこで、話す側が、そのことをしっかりと認識し、

言葉を丁寧に届けなければなりません。

 

 

  • 一つ一つの言葉がはっきり聞こえるように、丁寧に発音する

  • 固有名詞数値などは、特に明確に発音する

  • 聞き間違いや誤解を与えやすい言葉は、言い換えたり、説明を付加したり工夫する

  • 専門用語省略語はできるだけ使わない(使う時は説明を付加する)

など、話している一瞬の言葉を大切にして、

「音」の積み重ねが

「聞き手にとって有益な内容」

となるようにしましょう。

 

 

3.人は、意識を向けたことしか聞こえない

日常生活で、周囲に様々な音が溢れていたとしても、

私たちは意識を向けた音しか聞こえていません。

 

なにか考え事をしていたら、

近くで誰かが会話をしていても、内容が全く耳に入ってこないでしょう。

 

 

聞き手も、

話を聞いている途中で別のことを考えてしまったり、

つまらなくてボーっとしたり
すると、

「耳が閉じた状態」になってしまいます。

 

 

話す側がどんなに一生懸命話しても、

耳に入っていない
のです。

 

 

また、話が分かりづらいために、

聞き手が思考を巡らせて、

やっと内容を理解できるような状態では、

途中で疲れて、話を聞くのをやめてしまいます

 

これは、聞く側になった時に、経験があることでしょう。

 

 

そうならないために、

聞き手に興味を持ってもらったり、

イメージを思い浮かべてもらったり
する

「話の構成」が必要になります。

 

そして、自然と話が頭に入ってくるような言葉や流れで話すことができれば、

最後まで耳を傾けてもらえるでしょう。

 

 

なにより、話す側が気持ち(心)を込めないと、

聞き手も受け取ろうとはしてくれません

 

原稿をただ棒読みするようなことのないようにしましょう。

 


 

聞き手にも色んな人がいますし、

知識や、経験や、性格や、感覚が人それぞれですから、

絶対に全員に伝わる話し方

というのは存在しない
と思っています。

 

完璧はないのです。

 

でも、だからこそ、

人前で話すことは奥が深く、面白いのです。

 

 

常に、”伝えよう”という意識を持つだけで、

話し方は随分と変わると思います。