つかみはOK!話し始めの10秒で聞き手の心をつかむには?【大阪/マンツーマン話し方教室】
ご覧いただきまして、ありがとうございます。
ビジネスパーソンのための「声と話し方の教室」講師の砂川顕子です。
今回は、”話し始め”
つまり、どういう”出だし”で話を始めれば、聞き手の心をつかめるか、
を書いていきます。
プレゼンテーション・セミナー・スピーチなど、人前で話をする時、
“冒頭の10秒”って、とても大事です。
いわゆる話の「つかみ」ですよね。
ここで聞き手に興味を持ってもらえないと、
スーっと気持ちが離れていってしまいます。
「声は聞こえているけど、話を聞いていない」状態になってしまうんですね。
いや、聞き手自身は、「話は聞いているつもり」だけど、
断片的・表面的にしか内容が伝わっていないので、
「終わったあと大して何も残っていない」
「心が動かない」
という状態のほうが近いかもしれません。
話の”出だし”から、聞き手の興味を惹けるように、
「どう話し始めるか」に工夫を凝らしていきましょう。
ここで、一つ例題を提示します。
以下のような内容を話す時、
皆さんは、どんな風に”お話し”されますか?
<例題>
『母の日の贈り物は、カーネーションに加えて、石鹸に花を彫刻して作った”ソープフラワー”が人気である』
このまま話しても、問題があるわけではないのですが、
「へー・・・」で終わる話になりますよね。
話の”出だし”から興味を持ってもらうため、
このお話の冒頭を、以下の3つのパターンで工夫してみた例をご紹介します。
- 問いかける
- 不完全な短い情報を言い切る
- 期待値を上げる
1.問いかける
冒頭を、問いかけから始めてみましょう。
例えば、
- 『もうすぐ母の日ですが、贈り物は決まりましたか?』
- 『母の日は、カーネーションと一緒にちょっとしたプレゼントをあげたいと思われませんか?』
- 『母の日の贈り物は、毎年カーネーションだけだと変わりばえしませんよね?』
- 『ソープフラワーって、ご存知ですか?』
- 『母の日のプレゼントは、カーネーション以外で、何が人気だと思いますか?』
- 『”枯れない花”と聞いて、どんなものを思い浮かべますか?』
などです。
聞き手に、自分のことを考えてもらったり、
「そうそう!」「分かる!」と共感してもらったり、
「え?そうなの?」「なんだろう?」と知らなかったからこそ続きが聞きたくなったり
するような問いかけにすることがポイントです。
<出だしの例1:問いかける>
『ソープフラワーって、ご存知ですか?
その名のとおり、石鹸で作ったお花のことです。
石鹸に細かく彫刻を施して、本物の花のように形作ったアート作品で、女性への贈り物として喜ばれています。
特に、母の日には、カーネーションと一緒に、ソープフラワーをプレゼントするのが人気なんですよ。』
このように、まず問いかけで話し始めて、
それに流れが続くように話を構成していきます。
問いかけた後は、
少し間(ま)を置いたり、
聞いている人を軽く見まわしたりして、
問いかけに対する反応を確認しましょう。
2.不完全な短い情報を言い切る
不完全な短い情報とは・・・?
言いかえると、
一言聞いただけでは、「え?なんで?」「なんのこと?」と思ってしまうような、
納得するには説明が必要なことを、
初めに言い切ってしまう方法です。
上記の例題で例えるなら
- 『母の日の贈り物は、 最近では、 カーネーションだけじゃ物足りないんです』
- 『石鹸って、洗うだけじゃないんですよ』
- 『近ごろ、石鹸の香りがする花が人気です』
- 『母の日には、固形の石鹸をプレゼントするのが流行っています』
などです。
皆さんご自身でも、
どんな情報を最初に言い切ったら興味を惹きつけられるか、
考えてみてください。
聞き手を、
「この後の説明を聞かないと、腑に落ちない」
心理にさせることがポイントです。
人は、納得できないと、心が不安定のまま気持ち悪い状態が続くそうです。
そこで、なんとか納得して心を落ち着かせる手段を、無意識に求めるようになるので、
冒頭で、納得するには不完全な情報だけを伝えることが効果的なのです。
<出だしの例2:不完全な短い情報を言い切る>
『母の日には、固形の石鹸をプレゼントするのが流行っています。
石鹸といっても、顔や体を洗う石鹸ではありません。
固形の石鹸に、細かく彫刻を施して花の形にした、美しいアート作品で、”ソープフラワー”と言われています。
これを、母の日に、カーネーションと一緒に贈るのが人気なんです。』
このように、冒頭の”不完全でなんだか納得できない情報”を言った後には、
少しだけ間(ま)を置いて、
聞き手に「なんで?どういうこと?」と思わせる時間を作ります。
そして、それに続く話でしっかりと説明を補って、
聞き手が“すっきり腑に落ちた”心理になるように、話を構成していきましょう。
3.期待値を上げる
3つ目は、冒頭で、聞き手の期待値を上げる表現をすることです。
例えば、
- 『母の日の贈り物として、近ごろ大人気の商品があるんです』
- 『お母さんが絶対に喜ぶ、母の日のプレゼントをご紹介します』
- 『聞いて損はない、母の日の最適なプレゼントについてお話します』
- 『母の日のカーネーションにプラスして、これをあげれば間違いない!というプレゼントがあります』
このように、聞き手に「それ、聞きてみたい!」と思わせるような、
期待値を上げる表現を冒頭でしてから、
話の本題に入っていきます。
ただ、あまりに期待値を上げすぎると、
その後の情報価値が釣り合っていなかった場合に、
「期待して損した」という心理にさせてしまって、
逆に印象が悪くなる場合がありますので、注意が必要です。
<出だしの例3:期待値を上げる>
『お母さんが絶対に喜ぶ、母の日のプレゼントをご紹介します。
それは、石鹸で作ったお花”ソープフラワー”です。
石鹸に、細かく彫刻を施してあって、まるで本物のお花のように見えるアート作品なんです。
見た目もきれいで、香りも良いため、喜ばない女性はいないでしょう。
この”ソープフラワー”を、カーネーションと一緒に贈るのが、今、人気になっています。』
このように、話の冒頭をどう入るかによって、
それにつながる話の構成も変わってきますので、
話に広がりが出てくる効果もあります。
淡々とした話にならず、”つかみ”に成功していただくためにも、
話し始めの
- 問いかける
- 不完全な短い情報を言い切る
- 期待値を上げる
の3つを試してみてくださいね。
聞き手の心をぐっと近づけることができるので、
その後のお話もしやすくなりますよ。