話に”ムダ”が多くありませんか?【大阪/マンツーマン話し方教室】
ご覧いただきまして、ありがとうございます。
ビジネスパーソンのための「声と話し方の教室」講師の砂川顕子です。
人前に立つと、何を話していいのか分からず、
言葉が出てこない・言葉が足りないタイプの人もいれば、
逆に、言葉が”ムダに多く”て、結局何が言いたいのか分からない、
というタイプの人もいます。
そこで今回は、
言葉数が多くなってしまうこと
について、書きたいと思います。
言葉数がムダに多いと、
聞き手からすると情報過多となって、
論点がずれてしまったり
言いたいことが効率的に伝わらなかったりする
デメリットがあります。
また、話自体がムダに長くなってしまう原因にもなります。
特に、人前で話すことに慣れている人や、元々話し好きの人は、
言葉数が多くなったり、話が長くなる傾向があるな
と分析しているのですが、
そうでない人でも、人前に立つと緊張して、
ムダにだらだらと話してしまうこともあるようです。
言葉数が多くなってしまう原因は
細分化すると以下のようなことがありますので、
ご自身が当てはまるかどうか、チェックしてみてください。
- 話の筋からそれた情報を言っている
- 同じ情報を繰り返している
- 必要ない細かい情報まで言っている
では、今回は、
(事例)いつも社内で作成しているイベントのチラシを、今回はプロのデザイナーに依頼したら、
イベントの集客数が倍増した。
(結論)やはり餅は餅屋で、何事もプロに任せるのが一番だと実感した。
という内容を話す時を想定して、例題をあげていきます。
1.話の筋からそれた情報を言っている
話しているうちに、いつの間にか、
言いたいこととは外れたことを一生懸命説明していたり
自分でも何を言おうとしていたのか、分からなくなってしまった
という経験はないでしょうか?
例えば、上記の例題だと、次のような話になってしまいます。
『イベントのチラシは、いつも社内で作製しているのですが、うちの部署には、そういう仕事が得意が人がいなくて、
いつも、誰が作るかで、なすりつけ合いになっていたんです。
今回、順番としては、私の同僚が担当する予定だったんですが、それを見ていた部長が、
「試しに外部に依頼してみよう」と言われたので、
みんなで喜んで、デザイナーさんを探して依頼したんですね。
なにより、その同僚が一番喜んでいたのですが。
そうしたら、すごく良いチラシが出来上がって、いつもの倍は集客できたんです。
で、やっぱりプロは違うなーと、皆で話したんですね。』
いかがでしょうか?
今回言いたかった結論は、
「何事もプロに任せるのが一番」
ということでした。
ですが、
プロに任せるまでのプロセスを一生懸命話してしまっていますね。
つまり、話の筋からは外れたことを、たくさん説明しているわけです。
また、話の目線(主)が
「部署内のみんなが」
「同僚が」
「部長が」など、
コロコロと変わっているため、
聞き手は話に付いていきづらいです。
言いたいこと(結論)を一番最後に言ってはいますが、
ぼやけてしまうんですね。
このようなタイプの人は、
まず結論(一番いいたいこと)を明確にして話し始める
ことをお試しください。
結論を最初に言ってしまうのも良いでしょう。
2.同じ言葉を繰り返している
続いて、言葉を繰り返すことで、言葉数が多くなってしまう例をご紹介します。
このタイプの人を、私はよく見ます。
『チラシを作るときに、うちの社内でイベントがある時にチラシを作るんですけども、
そのチラシを、今までは社内の誰かが作っていたんですね。
イベントのたびに、毎回持ち回りで、チラシ作製担当が回ってくるんですけど、
今回は外部のデザイナーに依頼したんですね。
そうしたら、我々が作っていた時よりも、お客さんが増えまして、
3倍までは、いってなかったと思いますが、だいたい倍くらいに増えたでしょうか。
プロに依頼して倍に増えるなら、やっぱりプロに頼むのが一番だと思いましたね。』
このように、言うべきことが端的にまとめられず、
同じ内容の言葉を繰り返してしまう場合がよくあります。
強調するために繰り返すのではなく、
あくまでも”ムダに”繰り返してしまうんですね。
頭の中の情報を、
思いついた言葉から次々と発してしまっている状態です。
このような場合は、
箇条書きのメモなどに、言うべきことを一度まとめる
ことをおすすめします。
箇条書きメモを見ながら、
端的な”話”として喋る練習をしましょう。
3.必要ない細かい情報まで言っている
最後は、不必要な情報を盛り込んでしまう例です。
『イベントをする時に、これまでは社内でチラシを作製していたのですが、今回は試しにプロにお願いしてみることにしたんです。
外部のデザイナーさんは、イベントについてはご存じないので、打ち合わせで説明するのですが、
こちらが「こんなイベントなので、こんなイメージで作って欲しい」と言うと
「あー、分かりましたー」って、あっさりお返事されるんですね。
本当にそれで分かったのかな?と思って、もっと詳しく「ここは、こうしてください」と言うのですが、
「はい!分かりましたー」って、軽くお返事されるんです。
大丈夫かなーと思っていたのですが、チラシが出来上がってみると、イメージ通りのものが出来上がって、
イベントの集客数も倍になったので、さすがプロだな、プロに頼むのが一番だな、思いました。』
上記の例では、”話”としては、面白いと思うのです。
ただ、
「プロのデザイナーさんは、こちらの意図をくみ取って
それをデザインに表現してくれるのがうまい」
ということを言いたいわけですが、
デザイナーさんとの会話を細かく再現することで
話が長くなっています。
会話の再現も、多少なら臨場感が出たり
具体的にイメージしやすくなって、良いのですが、
多すぎると冗長な話になり、
途中で、何を言いたいのかが伝わらなくなります。
“どこまで詳細に説明するのか”は
その場の状況や、聞き手によって変わるので、
難しいところではあります。
情報の取捨選択が出来るように、
聞き手の反応を見ながら感覚を養うと良いでしょう。
まとめ
まずは、自身の話の中に、”ムダ”が多くないか、
自分で気づくことが大切です。
“ムダ”が多いな、と気づいた人は、
「言葉を削る」ことに取り組んでみてください。
聞き手は、たくさんの情報が一気に耳に入ってくると、
頭の中の処理も大変になります。
聞き手にとって、
必要な情報を、ポイントが分かるように、端的に話せる
ようになるのが理想ですね。