聞き手に”誤解”や”勘違い”を生じさせない話し方の工夫【大阪/マンツーマン話し方教室】
ご覧いただきまして、ありがとうございます。
ビジネスパーソンのための「声と話し方の教室」講師の砂川顕子です。
今回は、言いたいことが正確に・すんなり伝わるための
話し方の工夫について書いていきます。
今回の内容を動画でご覧になる場合はどうぞ↓
聞き手に、話の内容を勘違いされてしまったり、
相手と会話の内容がすれ違って、やりとりを重ねてやっと理解してもらえたり・・・
という経験はないでしょうか?
そんな時は、
自分の「言葉の表現」や「話し方」に問題がなかったのか
を見直す、良いチャンスです。
スムーズに理解してもらえなかったことを、相手の問題にしないで、
自分の話の「どこが」原因になっていたのかを突き止めることができる人は、
話し方をどんどんスキルアップできます。
話の中で、誤解や勘違いを生じさせる原因は様々にあるのですが、
そのうち、よくある3つを挙げてみますので、
ご自身の話を振り返る時の参考になさってください。
- 話の前提が抜けている
- 目的語が抜けている
- 転じる言葉(否定の言葉)を疎かに発音している
1.話の前提が抜けている
“前提”の話をせずに、いきなり自分の言いたいことだけを言ってしまうと、
聞き手は、内容を理解するのに苦労することになります。
例えば、職場の人から、
『明日は予定がありますか?』
といきなり聞かれると、どう答えるべきか困りませんか?
明日の仕事のスケジュールのことを言っているのか?
仕事が終わった後のことを言っているのか?
仕事を頼みたいのか?
プライベートで出かけたいのか?
飲み会があるのか?
などなど、”前提”の抜けている話は、聞き手を困惑させます。
『明日、〇〇があるのですが、』
『私は〇〇したいと思っているのですが、』
という”前提”をまず話すことで、
聞き手は、言いたいことの全体像をすんなり理解することができます。
説明をするときも同様です。
『中国茶は、発酵度合いによって味が変わるんですよ。』
といきなり説明しても、お茶に詳しくない人は、よく分からないまま聞き流すでしょう。
ここでは、中国茶についての前提知識として、
- お茶の製法には、茶葉を発酵・乾燥させる工程がある
- 発酵を途中で止める製法が中国茶の特徴
という”前提”のお話をしてから、
“発酵度合い”の話をすると、
話全体をすんなり理解してもらえるでしょう。
2.目的語が抜けている
話の中の”目的語”が抜ける場合は、多くあります。
目的語というのは、
「〇〇を」「〇〇に」
などですね。
例を挙げると、
『中国茶は、発酵させる工程があって、途中で止めるのが特徴です』
のように話してしまう場合です。
- 何を発酵させるのか?(茶葉を)
- 何を途中で止めるのか?(発酵を)
という情報が抜けてしまっているので、話があいまいで、分かりにくくなります。
そうすると、聞き手は、自分なりの解釈をしてしまうため、
誤解や勘違いにつながりやすくなってしまいます。
目的語は、話す側としては「当たり前に分かっていること」ですから、
ついつい抜いて話してしまうんですよね。
また、目的語を抜いたとしても意味が分かるだろうと思うところであっても、
あえてしっかり言うことで、きちんと話している印象になりますし、
内容を正確に伝えることができるようになります。
3.転じる言葉(否定の言葉)を疎かに発音している
転じる言葉(否定の言葉)というのは、例えば、
「〇〇以外のもの」
「〇〇とは別のところ」
「〇〇に満たない場合」
「〇〇ではなく、」
「〇〇ではありません。」
などです。
先に口にする「〇〇」ではないこと(もの)を指しているのがポイントです。
先に言った言葉を否定したり、
違うもの(範囲)に転じさせたりする表現ですが、
このような言葉を、無意識に、疎かに発音していることが多いものです。
特に日本語では、否定の言葉が、語尾や文末に来ることも多く、
声が弱くなったり、はっきり聞こえにくかったりしやすいです。
このような転じる言葉(否定の言葉)は、
とりわけ、ゆっくり・ハッキリ発音するように心がけましょう。
このような言葉を、特に意識せずに、なんとなく発音してしまうと、
聞き間違いや勘違いが起きやすくなりますので、ぜひ気にしてみましょう。
誤解や行き違いのないように、正確に伝えることは、
特にお仕事で話すうえでは、最も大切なことになります。
- 話の前提が抜けている
- 目的語が抜けている
- 転じる言葉(否定の言葉)を疎かに発音している
この3つを気にかけてみて、
双方が気持ち良く、スムーズな意思疎通ができるようにしましょう。