聞き手に「行間を読む」ことを求めないで!行間を表現してもっと的確に伝えよう
ご覧いただきまして、ありがとうございます。
ビジネスパーソンのための「声と話し方の教室™」講師の砂川顕子です。
「行間を読む」という言葉がありますよね。
文章についての意味だけではなく、
“話”を聞くときにも
言葉になっていないニュアンスや意図を汲み取って
理解することですね。
今回の内容を動画でご覧になる場合はどうぞ↓
話の行間が読めると
コミュニケーションが円滑になったり
少ない言葉で、仕事を速く進めることができたり
メリットもあります。
ですから、お仕事では
行間の読める人 = 仕事がデキる人
という構図が成り立っていることもあるでしょう。
ですが、このような
「行間を読む」
「行間を読んでもらう」
ことに慣れている人は、注意が必要です。
なぜなら、
言葉を省略して話す癖がついて
語彙力がなくなっていく原因になってしまう
こともあるからです。
そうすると、
プレゼンテーション・スピーチ・セミナー・発表・面談など
人前やビジネスでしっかり伝えなければならない場面で、
「言葉が足りないために、言いたいことがすんなり伝わらない」
という結果につながってしまうのです。
言葉を省略する癖とは?
例えば、商品紹介で、次のように話してしまう人がいます。
『この時計は、30分の耐水テスト済みです。
コーヒーやお茶がかかっても大丈夫ですよ。』
この話の”行間を読む”と、
なんとなく言いたいことは分かりますよね。
耐水性のある時計で、濡れても壊れないんでしょうね。
ですが、
「伝えたいこと」が、言語化されていないのがお分かりですか?
一言も「耐水性が高い」とは言っていないのですね。
話す側にとっては
『30分の耐水テスト済み』は、イコール「耐水性が高い」
と言っているつもり、なのです。
また、
『30分の耐水テスト済み』と
『コーヒーやお茶がかかっても』
には、
関連があるようで、実は話のつながりが曖昧ですよね。
水と、コーヒーやお茶とでは
中身が違ってきますし、
熱いものでも大丈夫ということでしょうか??
なぜ『コーヒーやお茶がかかっても大丈夫』
と言っているのか
根拠があやふやなまま、話をつなげています。
文字に残る文章であれば
これで行間を読んでもらえるかもしれません。
でも!
“話”は、一瞬で消え去ってしまうものなのです。
文字よりも一層
省略せずにしっかり言語化しなければ
聞き手は、
なんとなくの認識で聞き流してしまったり、
自分の解釈で理解してしまったり
しやすいのです。
結果、
- 伝えたはずのことが、認識されていなかった
- 聞き手の印象に残っていなかった
- 良いと思ってもらえなかった
- どういう意図でその話をしたのかよく理解されなかった
- 勘違いされて伝わってしまった
ということが、起こってしまうのですね。
行間を埋めて話そう!
しっかり伝えようと話す時には、
「伝えたいこと」をはっきりと言語化することで
聞き手に容易に理解してもらえるのです。
そして、まさに行間を埋めるように
情報と情報とのつながりを
省略せずにお話ししましょう。
先述の例だと
言葉が足りない
『この時計は、30分の耐水テスト済みです。
コーヒーやお茶がかかっても大丈夫ですよ。』
行間を埋めて話す
『この時計の特長は、耐水性が高いことです。
水中に30分沈めておく耐水テストも、問題なくクリアしました。
また、水だけではなく
コーヒーやお茶などの一般的な飲み物でも
同様の耐水テストで壊れることはありませんでした。
ですから、熱い飲み物でなければ
かかってしまっても問題ありませんし、水でジャブジャブ洗えますよ。』
文字にすると長くはなりますが
明確に言語化して話すことで
話す側と、聞き手との認識が
難なく一致するのです。
加えて、
伝えたい大事な言葉(言語)を
ただ発すればいい、というわけではありません。
声で、強調するように表現するのです。
そうすることで、
より一層「伝えたい意図」「ニュアンス」が
伝わるようになります。
聞き手に、話をどう受け取ってほしいのか
話す側が、ちゃんと声で示すことで
聞き手は、その通りに受け取ってくれるようになります。
「大事な言葉を強調して表現する方法」に関しては
過去の記事で書いていますので
ぜひご覧くださいね。
話の中で大事なポイントを確実に伝えるコツ
分かりやすく・印象良く伝えるコツは、話の中の”キーワード”の扱い方
無意識のうちに
聞き手に対して、行間を読むことを求めていたり
効率的に伝えようと、省エネで言葉が少ない話をしたり
していないか、気にしてみましょう。
普段から
気を使わなくても通じ合う人たちと
会話することが多い場合には
語彙が貧弱にならないようにしてくださいね。
行間を埋めるように
伝えたいことを明確に言語化して
情報と情報とのつながりを意識して話すことで
もっと的確に伝わるようになるので、
実は効率的なんですよ。