話の中の「えー」「あのー」が、伝わる”邪魔”になる人とならない人の違いとは【大阪/マンツーマン話し方教室】

ご覧いただきまして、ありがとうございます。
ビジネスパーソンのための「声と話し方の教室™」講師の砂川顕子です。

今回の内容を、動画でご覧になりたい方はどうぞ↓

 

話をしていて、ついつい

『えー』

『あのー』

『えっとー』

『うーん』

など、

考えながら喋ると、言ってしまいますよね。

 

私も、言ってしまうことはよくあります。

 

これらの言葉は、

会話のやりとりであれば、大して気にならないのですが、

自分主導でしっかりと説明をしたり

プレゼンやスピーチなど人前で話したりする場面では、

多用すると、話の”邪魔”になって

伝わらなくなってしまうことがあります。

 

さらに、

その人の印象まで悪くなることもあり得ますよね。

 

よく想像のつくことだと思います。

 

 

でも、

『えー』『あのー』を結構な頻度で言っていたとしても

話の伝わり方にも、印象にも、

影響しない人もいらっしゃるんですよね。

 

ではなぜ、『えー』『あのー』は、

悪影響を及ぼす場合と

及ぼさない場合があるのでしょうか。

 

私も不思議に思ったので、

少し掘り下げて考えてみました。

 

 

『えー』『あのー』を言ってしまう原因

そもそも、

『えー』『あのー』などの言葉を口にしてしまうのには

人それぞれ、様々な要因があると思います。

 

  1. 考えている
  2. 単に口癖になっている
  3. 自信がない
  4. 緊張している
  5. 無言の時間が怖い

などなど、人によっては他にもあるでしょう。

 

上記の原因の中で、

「1.考えている」時以外の場合には

『えー』『あのー』の多用が

話が伝わる”邪魔”になっていることが多いように思います。

 

つまり、

単に自分の口癖として発していたり

緊張して自信がない状態で話をしていたり

する時に頻繁に出る『えー』『あのー』は、

聞いていて耳ざわりになってしまう

話が伝わる弊害になってしまう

ということですね。

 

そういった場合というのは、

話す側は

“自分自身”のことばかり考えている状態です。

 

緊張しているのも”自分”だし、

自信がないのも”自分”だし、

無言の時間がイヤなのも”自分”です。

 

単に癖になっているのも、”自分”の都合ですね。

 

「自分都合」で話しているから、

聞き手にとって、耳ざわりなタイミングで

『えー』『あのー』が入ってきてしまって、

話の邪魔になってしまう

聞きづらい話になってしまうんですね。

 

 

 

「1.考えているから」が原因の場合

では、「1.考えている」時であれば

『えー』『あのー』などを多用しても問題ないのかというと、

そう単純なワケでもないようです。

 

 

「1.考えている」時であっても、

 

  • 聞き手のために考えていること

  • 話に適切な抑揚がついていること

という2つの条件がそろった場合に、

『えー』『あのー』が耳ざわりにならず

話が問題なく伝わるのではないかと思います。

 

 

聞き手のために考えていること

話をする時に、

「自分がうまく喋ろう」

「自分が何を話そう」

など、

“自分”のために一生懸命に考えている場合には、

聞き取りやすい間(ま)が取れないんですね。

 

『えー』『あのー』などの言葉をはさむということは

話をしている中で考えている時の”間(ま)”と同じですから、

話が伝わりにくくなるようなおかしなところで

間(ま)を取るついでに『えー』とはさんでしまう、

ということが起きます。

 

 

間(ま)だけ取るなら

話が無意味にブチブチと途切れて、

それだけでも分かりにくいのですが、

そこに『えー』『あのー』などの”音”が入るわけですから

余計に聞くための邪魔になるんですよね。

 

 

逆に、

「聞き手が分かりやすいように」

「どう話せば理解できるだろう」

など、聞き手のために考えている人は、

聞き手の理解に合わせて

聞き手があいづちを打つであろうタイミングで

間(ま)を取ったり

『えー』『あのー』が入ったりするんですよね。

 

 

そうすると、それは聞き手にとって、

話を一つ一つ消化していくために必要な間(ま)になるので、

そこに『えー』『あのー』という”音”が入っても

気にならなくなるのです。

 

 

話に適切な抑揚がついていること

聞き手のために考えて

聞きやすい間(ま)が取れていたとしても、

話の中で

「何が大事なのか」

「何を言いたいのか」

というポイントが伝わらなければ

すんなり理解してもらうことはできません。

 

そこで大切になってくるのが、抑揚です。

 

 

抑揚のない話し方だと、

話の中の大事なキーワードも

『えー』『あのー』も

全部同じようなトーンで話してしまって、

たくさん聞こえてくる『えー』『あのー』が

耳ざわりになってしまいます。

 

 

『えー』『あのー』ばかりが聞こえてくるように感じて、

他の言葉が、話の中に埋もれてしまうんですね。

 

 

反対に、話に適切に抑揚がついて

大事なことや伝えたいことが、話の中で際立って聞こえてくれば、

聞き手は「話の内容」にフォーカスするので、

他の雑音は気にならなくなります。

 

 

まとめ

このように、

話の中で『えー』『あのー』などを多用しているのに

それが邪魔にならず、話が伝わる人は、

聞き手のために考えながら話して

かつ、抑揚が適切についている人

だと思うのです。

 

そもそも、聞き手に伝わるように話そうとしている人には、

抑揚など声の表現にも気を配っている人が多いですね。

 

 

言いかえれば、それ以外の場合には、

『えー』『あのー』はかなり耳ざわりになって

話が伝わらないばかりか

話している人の印象も悪くなるということですね。

 

自信がない印象や、

論理性に欠ける印象などを与えてしまいますね。

 

 

『えー』『あのー』は

あまり言わないようにするのはもちろんなのですが、

同時に

聞き手にとって聞きやすい間(ま)や

抑揚を身につけることで、

無意識に発してしまっても、話の”邪魔”にならなくなるでしょう。