説得力のある話にするために、話の”筋とつながり”を考えましょう【大阪/マンツーマン話し方教室】
ご覧いただきまして、ありがとうございます。
ビジネスパーソンのための「声と話し方の教室」講師の砂川顕子です。
今回のテーマである「話の筋とつながり」は、
プレゼンテーション、スピーチ、セミナー、発言などなど
様々な”話”において、大切なことです。
“筋とつながり”が明確でない話は、
論点がぼやけてしまうため、聞き手の納得感を引き出すことができず、
心に届かなくなってしまいます。
話し始めて、色々と喋っているうちに、どんどん論点がずれていってしまう・・・
という経験は、カンの良い人なら思い当たることがあるのではないでしょうか。
また、自分では気づかず、無意識に筋の通らない話をしてしまっていることも
あるのではないかと思います。
では、筋の通った、説得力のある話をするには、どうすればよいのか?
例題をあげてみますね。
まずは、良くない例です。
例1:話の”筋とつながり”が明確でない
『熱中症の予防には、なんといってもこまめな水分補給が大切です。
また、汗をかいた時には、ミネラル豊富な麦茶もおすすめですよ。
もし、熱中症の症状が出てしまったら、経口補水液を飲みましょう。
熱中症にならないために、しっかりと対策をとってください。』
音声で”話”としてお聞きください。
※音声をミュートにしていますので、小さめの音量から再生してください。
上記の例1では、熱中症の話をしていて、一文ずつの意味も分かります。
一見(一聞?)特に分かりづらくはない話に聞こえるでしょう。
ですが、一つ一つの情報がバラバラに与えられているため、
聞き手は、その場で「ふーん」と聞き流してしまう可能性が高いです。
そして、初めに「熱中症の予防」の話かと思いきや、
途中で「熱中症の症状が出てしまったら」という
熱中症になった時の対処の話をしています。
最後は「熱中症にならないために」でまとめているので、
結局、熱中症予防の話なのか、
熱中症になった時の対処法の話なのか、
筋が一本通っていません。
文字に起こすとよく分かることでも、
話していると、このように論点が微妙にずれてしまうことは
容易に起こり得るのです。
聞き手からしても、
「熱中症」の情報には変わりないので、特に違和感なく聞くものの、
納得感や説得力が感じられないまま、聞き流して終わり、
という状態になりがちです。
これを、説得力のある話にするには、
もっと“論点・観点を絞る”ことが大切です。
では、次の例では、“熱中症予防”に論点を絞ったうえで、
さらに一つ一つの話に”つながり”を持たせてみます。
例2:話の“筋とつながり”のある例
『熱中症の予防には、なんといってもこまめな水分補給が大切です。
また、汗をかいた時には、水分だけでなく、塩分やミネラルが必要ですから、ミネラル豊富な麦茶がおすすめです。
今話題の経口補水液は、熱中症の症状が出た時に飲むもので、予防としては向いていません。
正しい情報をもとに、熱中症にならないための対策をしっかりととってください。』
音声で”話”としてお聞きください。
※音声をミュートにしていますので、小さめの音量から再生してください。
上記の例2では、初めに水分補給の話をしていますから、
2段落目では、『水分だけでなく』麦茶がよい、
というように、直前の話と“つながり”を持たせています。
また、2段落目で、
『ミネラル豊富』という語句が唐突に出てこないようにしました。
『汗をかいた時』と『ミネラル豊富な麦茶』という2つの情報がたやすくつながるよう、
『塩分やミネラルが必要』という補足を入れています。
さらに、経口補水液の話は、
『予防としては』向いていない、という風に
“熱中症予防”の観点から述べています。
そして、熱中症の予防として、良いもの・向かないものを述べことから、
これを受けて最後に『正しい情報を元に』対策をとるよう、
言って、これまで述べたことをまとめています。
こうして、話の論点を絞って、
一つ一つの話がつながるように述べていくことで、
聞き手にとって納得感のある話になります。
まとめ
説得力のある話をするためには、
- 話の論点・観点を絞ること
- 一つ一つの話がつながるように話すこと
- 唐突に出てくる単語がないように補足すること
を心がけてみてください。
『ふ~ん』で終わっていた話を、
もっと関心をもって聞いてもらえるようになりましょう。