資料や原稿を”読み上げる”時に、一番気をつけたいこと【大阪/マンツーマン話し方教室】

ご覧いただきまして、ありがとうございます。
ビジネスパーソンのための「声と話し方の教室」講師の砂川顕子です。

 

プレゼン・セミナーや、スピーチ・会議での発表など、人前で話す場面で、

資料を読み上げることが、よくあると思います。

 

 

また、人前で話すのに慣れていない方は、

すべてを原稿に書いて、

それを見ながら
話されるのではないでしょうか。

 

 

たとえ話の上手な人であっても、

“文字”を読み出すと、

途端に伝わらない話になってしまう
ことがよくあります。

 

 

自分の言葉で話すのと違って、

急に棒読みになってしまったり、

急に早口になってしまったりするからです。

 

ですから、元々、人前で話すのが苦手で、すべて原稿を読んでいる人は、

“言わずもがな”ですね。

 

 

では、資料や原稿を読み上げる時、

なぜ伝わらなくなるのか、例をあげましょう。

 

コップ1杯の水分を一日に8回程度摂取するのが理想的

資料に上記のように記載してあり、これを読み上げる時

どのように読まれるでしょうか?

(例文は、あえて読点を入れていません)

 

 

文字を”読み上げる”となると

『コップ1杯の_水分を_一日に_8回程度_摂取するのが_理想的』

と、_部分で切って、

語句一つ一つを、ブチブチを途切れさせて話す人も少なくないのです。

 

 

また、ある人は、

全てを一気に、早口で流し読みしてしまいます。

 

 

どちらも、全然伝わらない話の典型です。

 

 

サンプル音声:伝わらない読み上げ方

語句が途切れて意味が分かりづらくなっている例

※音声をミュートに設定していますので、小さめの音量からお聞きください。


 

一気に流し読みすることで、分かりづらくなっている例

※音声をミュートに設定していますので、小さめの音量からお聞きください。


 

人によっては、

配布資料に書いてあることは、あえてちゃんと喋らなくても大丈夫!

と思われているのかもしれませんが、

聞き手は

言葉がはっきり聞こえなければ、

配布資料の文章を必死に読まなければなりません

 

 

“聞く”ことと

“文章を読む”ことの

切り替えをしながら話を聞いていくことは、

結構しんどい
のです。

 

 

逆に、目で見えている“文字”と、

耳から入ってくる“話”が合致していると、

聞き手は理解が進みやすくなります。

 

 

ですから、配布資料や、スライドの資料など、

聞き手に見えている内容であっても、

しっかりと分かりやすく話して、

“耳からの情報”として、聞き手に届ける必要があります。

 

 

“読み上げる”時に一番気をつけたいこと

資料や原稿などの”文字”を読み上げる場面で、

聞き手に難なく伝わるために気をつけることは、色々とあるのですが、

一番、自分で実行しやすくて、すぐに効果がある方法は、

“言葉の意味を考えて、まとまりで切る”ことです。

 

 

再度、同じ例文を表示しましょう。

コップ1杯の水分を一日に8回程度摂取するのが理想的


この例文で、大まかに

「誰が(主語)」

「何を(目的語)」

「〇〇する(述語)」

を考えた時、

  • 「誰が(主語)」は、なし

  • 「何を(目的語)」は、『コップ1杯の水分を』

  • 「〇〇する(述語)」は、『一日に8回程度摂取する』

となり、

「何を(目的語)」と「〇〇する(述語)」の部分は、

それぞれが一つのまとまりとして、途中で切らないことが、

分かりやすく”読み上げる”コツ
です。

 

また、最後は

『摂取するのが理想的』

と、ここでも一つの意味のまとまりとなっていますので、

『コップ一杯の水分を_一日に8回程度摂取するのが理想的』

と、_部分で2つに区切って話すのが、

伝わりやすいと言えるでしょう。

 

 

2つめのまとまりが長いので、

『一日に』の後に、

ごくごく短く間(ま)をとれば、

その直後の『8回』という単語がハッキリ聞こえて、より良いでしょう。

 

『コップ一杯の水分を_一日に_8回程度摂取するのが理想的』

 

サンプル音声:言葉の意味のまとまりを考えた読み上げ方

では、上記のように、まとまりで区切って、意味を分かりやすくした音声例です。

※音声をミュートに設定していますので、小さめの音量からお聞きください。



   

まとめ

このように、資料や原稿を”読み上げる”時には、

言葉のまとまりを考えて、

適切に切って(まをとって)読まなければ、

何を言っているのか伝わりません

 

 

どうしても

“文字を追って読む”

という行為に一生懸命になって、

“伝わるように話す”

ことがおろそかになりがち
ですから、気をつけてみてくださいね。