人前で話す時に姿勢を正すのは、”通る声”・”伝わる声”の弊害になるかも!?【大阪/マンツーマン話し方教室】
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人前で話すビジネスパーソンのための「声と話し方の教室」講師の砂川です。
今回は、プレゼンやスピーチ・発表など、人前で話す時の”姿勢”についてです。
といっても、ただ単に、背筋を伸ばして、よい姿勢で話しましょうね、という話ではありません。
“聞き手の心まで届く、伝わる声”で話すには、「姿勢がよければ、それでOK」ではないのです。
人前で、姿勢が悪いことの弊害とは
とはいえ、やはり悪い姿勢のまま、人前で話してしまうことには、弊害があります。
なにより、聞き手への印象が良くないですよね。
猫背で、首が下を向きがちだと、自信がなさそうに見えたり、頼りなさそうな印象になってしまいます。
片側の足に重心をかけて斜めに立つ癖のある人は、”姿勢”の問題ではなく、”態度”の問題だととらえられる可能性もあります。
この辺りは、一般に認識されていることですね。
加えて、印象だけではなく、姿勢は声にも大きく影響します。
私が思うに、猫背なことよりも、首が下を向きがちなことのほうが、声への影響が大きいです。
どうしても、資料や原稿を見るために下を向きがちになるのですが、
ちょうど喉のあたりが折りたたまれてしまいますので、良い声が出るはずがありません。
声が通らず、詰まったような響きになって、声の表現など到底できません。
また視線も下を向いているので、聞き手の心が離れてしまいます。
聞き手は、自分が話の対象者だとは思えず、話にのめり込むことができないからです。
人前で姿勢を正すと起こること
では、人前で話す時には、姿勢を正せばよいかというと、そう簡単な話ではありません。
人前で姿勢よく振る舞おうとすると、大抵の人は、肩や胸や首に力が入ります。
緊張していれば、なおさらでしょう。
上半身に力が入ったまま声を出すと、元々声が小さめの人は「通らない声」「弱々しい声」になりがちです。
また、元々声が出るタイプの人は、力んだまま声を張ろうとして「力が入った固い声」「張り上げた声」になるでしょう。
声が上ずってしまうことも多々あります。
いずれにしても、伝わる話をするのに適した声とは言えません。
つまり、人前で話す場面だけ姿勢を正して、きちんと振る舞おうとしても、
声が届きにくくなったり、伝わる表現ができなかったりするのです。
人前で話す時には、姿勢のことを気にしないのが一番
人前で話す時には、無理に姿勢を正そうとするのではなく、自然体でいられるのが一番です。
“よく通る、伝わる声”で話すには、上半身がリラックスして、肩や胸や首(喉)に無駄な力が入っていない状態が最適なのです。
ということは、“自然体”の状態で姿勢が悪くならないように、普段から意識しておく必要があります。
猫背は、話している人の”印象”を左右しますので、普段から直しておいたほうがいいのですが、
声(話)への悪影響は、先ほども述べたように、猫背よりも、下を向きがちなことの方が大きいです。
ですから、猫背がなかなか治らない人は、人前で話す場面では、猫背よりも、下を向かないことを意識してみてください。
それには、資料などはバインダーに入れて、脇に抱えながら話すなど、
顔はまっすぐ前を向いたまま目線だけを下げられるように工夫するとよいでしょう。
また、特に姿勢が悪いわけではない人は、人前に立つ時に、無理にビシッと姿勢を正そうとしないことです。
ゆったりとリラックスした上半身のままで、丹田(おへその下あたり)で上半身を支える感覚でいるとよいでしょう。
まとめ
人前で話す時だけ姿勢をよくしようとしても、声も動きも不自然になってしまいます。
普段から、自然体でリラックスしたまま、姿勢よく振舞ったり、声を出したりできるようにしておきましょう。