話し方の欠点を指摘された時、上司の”分かった風な”批評を鵜呑みにしないで【大阪/マンツーマン話し方教室】
ご覧いただきまして、ありがとうございます。
ビジネスパーソンのための「声と話し方の教室™」講師の砂川顕子です。
教室へ来られる生徒さんは、よく
「他人から、話し方について、こう言われた(批評された)」
とおっしゃることがあります。
そう批評されたのは、
会社の上司からだったり
学校の先生からだったり
家族からだったり
様々なのですが、
やはり、会社の目上の人から言われた
ということが多いでしょうか。
指導の一環として
話し方について言及されるのだと思うのですが、
私からすると
その指摘は間違っていることも多々あるのです。
「抑揚がない」と言われる
まず、よく聞くのが、
「抑揚がないと言われた」
という経験です。
確かにその通り
抑揚がない話し方をされている方もいらっしゃるのですが、
なかには、抑揚はバッチリついているのに
「抑揚がない」という批評をされている方もいらっしゃるんです。
抑揚とは、話している中で、
・声を高くしたり、低くしたり
・声色を変えたりなど
変化をつけることです。
ですが、どうやら
「単調に聞こえる=抑揚がない」
と評価してしまうようです。
抑揚はしっかりとあるけれど、
単調に聞こえてしまっているために「抑揚がない」と批評されている
ということですね。
抑揚があるのに、単調に聞こえる原因としては、
- 全体的に話すペースがゆっくり
- 話の間(ま)がいつも同じ長さ
- 一文(「。」まで)が長く、同じような言いまわし
など、人によって様々なのですが、
決してその原因は”抑揚”ではないのです。
おそらく、会社の上司などは、
深く考えず、なんとなく”抑揚”という曖昧な言葉を使って
批評しているんですね。
「話に5W1Hがない」と言われる
続いて、
「話に5W1Hがない」
と批評されているパターンです。
これも、何度かお聞きします。
「5WIHがない」ということは、
話の中に
・When(いつ)
・Where(どこで)
・Who(誰が)
・What(何を)
・Why(なぜ)
・How(どのように)
という要素が、いずれか抜け落ちている
ということですね。
ですが、これも的を射ない指摘であることが多いです。
話を聞いた中に「5W1H」の要素が、ぬかりなくあったかどうか、
瞬時に判断できる人は少ないのではないでしょうか。
文章なら分かりますが・・・。
私が聞いてみたところでは、
特に5W1Hは問題ない方もいらっしゃるんですね。
おそらく、
「話が分かりにくい=5W1Hがない」と
なんでも一括りに批評されているのだと思いますが、
すごく安易な批評です。
分かっている風な指摘をせずに、
「話が分かりにくい」とだけ言えばいいのに・・・
と思ってしまいます。
話が分かりにくい原因は、
- 話す順序
- 大事なポイントが際立って聞こえない
- 一文(「。」まで)が長く、ダラダラ聞こえる
- 無駄な言葉・いらない情報が多い
- 接続詞などがなく、話の流れが見えない
などなど、多岐にわたります。
分かりやすく話すために大切なのは、
決して5W1Hだけではありません。
言い換えると、
5W1Hがちゃんと盛り込まれているからといって
“分かりやすい話”になるわけではないのです。
まとめ
今回はちょっと、語気の強い書き方になってしまいましたが、
やっぱり目上の人から指摘されたら
それを信じてずっと気にされていたり
改善されようとしますから、
不条理な気持ちになるのです。
他人の指摘で、
「何を言っているのか伝わらない」
「話が分かりづらい」
「聞き取りづらい」
など、曖昧で感覚的なものは
当たっていることが多いです。
ですが、よく分かっていない人から
“それらしい言葉”で批評された時には、
話半分くらいでよいのかもしれません。
あまり、振り回されないでくださいね。
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