発声・滑舌の練習で「五十音」の詩を活用しよう【ア行】(あめんぼの歌・あいうえおの歌)【大阪/マンツーマン話し方教室】

ご覧いただきまして、ありがとうございます。
ビジネスパーソンのための「声と話し方の教室™」講師の砂川顕子です。

 

話すための発声や滑舌の練習として、

北原白秋の「五十音」という詩がよく用いられます。

 

「あめんぼの歌」「あいうえおの歌」など言われることもありますね。

(私もずっと、あいうえおの歌だと思っていました・・)

 

この詩は、日本語の50音をまんべんなく練習できるため、

アナウンスや演劇などの練習教材として有名です。

 

以下に、記します。

(読みやすくするため、実際の詩の表記とは変えています)

 

あめんぼ 赤いな あいうえお   浮きもに 小えびも 泳いでる

かきの木 くりの木 かきくけこ  きつつき コツコツ 枯れけやき

ささげに すをかけ さしすせそ  その魚(うお) 浅瀬で 刺しました

立ちましょ らっぱで たちつてと トテトテ タッタと 飛び立った

なめくじ のろのろ なにぬねの  納戸に ぬめって なにねばる

はとぽっぽ ほろほろ はひふへほ 日なたの お部屋にゃ 笛を吹く

まいまい ねじ巻き まみむめも  梅の実 落ちても 見もしまい

焼きぐり ゆでぐり やいゆえよ  山田に 灯(ひ)のつく 宵の家

雷鳥は 寒かろ らりるれろ    れんげが 咲いたら るりの鳥

わいわい わっしょい わいうえお 植え木や 井戸がえ お祭りだ

 

当教室のレッスンでは、

この「五十音」の詩を使って練習することは、あまりないのですが、

(もっと実践的なことを中心にやっています)

ご自身で、発声や滑舌練習のために使うのは、良いと思います。

 

ただ、

やみくもにこれを言うだけだと、何の練習にもなりません。

 

しっかりとポイントを押さえて練習する必要があります。

 

そこで、「五十音」を使った練習のコツを

1行ごとに書いていこうと思います。

 

 

ア行

あめんぼ 赤いな あいうえお   浮きもに 小えびも 泳いでる

ア行 音声サンプル

※ミュートに設定していますので、小さめの音量からお聞きください

ア行を練習する時のポイントは、2つあります。

 

まず1つめのポイントは、

一つ一つの言葉の、”最初の音(1音目)”を丁寧に言うことです。

 

●『あめんぼ』の「あ」

●『赤いな』の「あ」

●『浮きも』の「う」

●『小えび』の「こ」

●『泳いでる』の「お」

です。

 

言葉の”最初の音(1音目)”を雑に発音して

1音目が極端に短くなったり、詰まったりして、

音としてしっかり聞こえてこないことが多いです。

 

これはなぜかというと、

言葉の”2音目”にアクセントがくるので

“最初の音(1音目)”がおざなりになるからです。

 

 

2つめのポイントは、

後半の『泳いでる』です。

 

2音目の『よ』が、あいまいな発音になって、

「おおいでる」っぽく聞こえがちです。

 

『よ』と言う時には

直前に小さい「ぃ」を入れるイメージで

はっきりと発音するように気をつけましょう。

 

  

ア行に限らず全体を通しての注意ポイント

全体を通して注意することは、

1行が一本調子の棒読みにならないようにすることです。

 

どうしても発声練習だと、”話”とは違うので

最初から最後まで、同じ声の高さで言ってしまったり、

文末だけ声を高く上げてしまったりすることがあります。

 

『あいうえお↑』『およいでる↑』と

最後だけをピン!と上げちゃうんですね、なぜか。

 

リズムが取りやすいんだと思いますが・・・

 

 

日本語の標準的な「声の高低の流れ」は、

文頭が高く始まって、

文末にかけてゆるやかに声が下がっていきます

 

途中で、文の区切り「、」があれば

区切りの後には少し声が上がって、

そこから文末にへ向かって下がります

 

このように、声の高さに自然な流れがつくように言いましょう。

 

これは、すべての行に対して同じです。

 

発声練習・滑舌練習をする時には

単に声を出すだけの練習をするのではなく、

高い声・低い声の両方を効果的に出せるように

声を磨いていくことを目的に行ないましょう。

 

棒読みでの練習は絶対にやめましょう

 


 

次回は、カ行を練習する時のポイントを書いていきます。

 

下記のリンクより、引き続き、ご覧くださいね。

発声・滑舌の練習で「五十音」の詩を活用しよう【カ行】