はっきり聞き取りやすく話すために気をつけてほしい、撥音・促音・長音【大阪/マンツーマン話し方教室】
ご覧いただきまして、ありがとうございます。
ビジネスパーソンのための「声と話し方の教室™」講師の砂川顕子です。
最近、台湾出身の方とお話する機会がありました。
日本語学校に通われた後に、独学で日本語を学ばれたそうで、
日常会話は、さほど問題なく日本語でコミュニケーションがとれます。
ですが、その方いわく、
「よく聞き返されるので、もっときれいな発音で話したい」
そうです。
確かに、見た目は日本人と見分けはつかないのですが、
少し話すと、日本語ネイティブでないのは分かりますし
聞き取りづらい言葉も、ところどころ出てきます。
その原因として、
まず滑舌について
「ざ・ず・ぜ・ぞ」が
「じゃ・じゅ・じぇ・じょ」に近い発音になったり、
濁点付きの「だ・で・ど」「がぎぐげご」と
濁点なしの「た・て・と」「かきくけこ」とを
混同して発音してしまったり、
ということがありました。
耳で聞いて覚えた言葉が多いそうなので、
ご本人も、どちらが正解なのか分からない
とのことでした。
この辺りの音の発音は
日本語ネイティブでも苦手だったりしますから、
難しくて当然だと思います。
ですが、
よく聞き返されたり、聞きづらい言葉があったりする一番の原因は、
そういった滑舌の問題ではない!と思ったのです。
その原因は、
日本語ネイティブの私たちとも共通することです。
つまり、私が教室で
生徒さんによく指摘していることと同じことだったのですね。
それが、今回のタイトルにもある
「撥音」「促音」「長音」が
“短かすぎて聞こえない!”ということです。
撥音・促音・長音とは
まず、撥音(はつおん)とは、「ん」のことです。
『しんぶん』
『さんかんぶ』
など「ん」のつく言葉はたくさんありますね。
次に、促音は、小さい「っ」です。
『きっかけ』
『タブレット』
などなど、これもたくさんあります。
最後に、長音は「ー」と伸ばす音です。
『ケーキ』
『マークシート』
など、外来語に多いイメージかもしれませんが、
日本語でもたくさんあるんです!
例えば、『経営』
これは、表記としては『けいえい』と書きますが、
発音する時には
『けーえー』
と言わないと、意味が伝わりづらいですね。
他にも、
『気象情報』「きしょうじょうほう」も
文字表記とは違って、発音する時には
『きしょーじょーほー』
となります。
これらも、発音するときの「長音」となります。
撥音・促音・長音が短すぎて聞こえない!
そして
話の中の「ん」「っ」「ー」が短すぎて聞こえない方は
かなり多い印象なのです。
前述の台湾の方も、
ほとんどの言葉は、日本人が話すのを耳で聞いて覚えた
とおっしゃっていましたから、
同じような発音になってしまうのも、当然かもしれませんね。
「ん」「っ」「ー」は、
いずれも”1音分の長さ”で発音しなければなりません。
つまり、
『しんぶん』
『きっかけ』
『けーえー』
という時には、
それぞれの4音ともが同じ長さで、
音楽で言うところの、同じ一拍で発音しなければならないんですね。
ですが、話をしている中の「ん」「っ」「ー」が短くなりすぎて、
『しんぶん』が、『しぶ』
『きっかけ』が、『きかけ』
『けーえー』が、『けえ』
のように聞こえてしまっていることが本当によくあります。
これは、
話の中の「ん」「っ」「ー」が全部短くなってしまうのではなくて、
ところどころ短くなってしまいます。
自分ではちゃんと言っているつもりでも
短くなることがよくありますので、
自覚するのが難しいのですね。
その頻度は、人によって様々なのですが、
なんせ「ん」「っ」「ー」は
話している中でたくさん出てきますから、
そのうちのほんの数十パーセントが短くなって聞こえないだけで
なんて言ったのか聞き取れない言葉が出てきたり、
「話が聞きづらいなー」と思われたりする原因になるのですね。
解決法とまとめ
このような、撥音・促音・長音が短くなって
聞き取りづらくなってしまう解決法としては、
まず、気にすることです。
話している中で「ん」「っ」「ー」が出てきたら、
ちょっと丁寧に発音してみましょう。
もちろん、話の中の全部の「ん」「っ」「ー」を気にしすぎてしまうと、
いっぱいありすぎて喋れなくなってしまいますから(笑)
ちょっと気にする、程度で大丈夫です。
ほとんどの方は、無意識に発音していますから、
ちょっと意識するだけで解決することも多いんですね。
あとは、いつも書いていますが、
自分の話を録音して、自分の癖に気づくことも大変効果的です。
もう一つの解決法としては、
呼吸を長くゆったりすることです。
どうしも浅い呼吸で話していると、
少なくてすぐに吐き切ってしまう息の中で
言葉を発さなければなりません。
そうすると、
「ん」「っ」「ー」を
しっかり1音分の余裕をもって話すのが難しくなるのですね。
腹式発声で、長い・安定した息を使って話すことで、
この問題を解決しやすくなります。
これは、実際に教室の生徒さんでも、
腹式発声を習得することで
撥音・促音・長音が短くなる癖が解消していますので、
おすすめの方法です。
腹式発声については、過去記事に書いていますので
以下のリンクよりご覧くださいね。
話す時に必要な腹式呼吸についてまとめ
伝わる話し方の基本!「話す時の呼吸」を身につける練習法