「朗読」の練習は、話し方上達に有効なのか?【大阪/マンツーマン話し方教室】

ご覧いただきまして、ありがとうございます。
ビジネスパーソンのための「声と話し方の教室」講師の砂川顕子です。



当教室は、基本的にはビジネスパーソン向けですから、

レッスンで実践的なことをする時には、

スピーチ・プレゼン・説明・自己紹介・質問対応などなどの練習をすることが多いです。



それぞれの方が、お仕事で、実際に話している場面を想定して練習していくことが、

一番得るものが大きく、ご自身で気づかれることも多いと感じています。




一方、物語や文学作品の「朗読」となると、

大抵の方は、お仕事で話す場面とは、かけ離れていることでしょう。



お仕事で、「自分が話すこと」を上達させたいと思われている方は、

「朗読」が上手くなりたいわけじゃないですからね。




私もこれまでは、上記の理由から、

ビジネス目的の方へのレッスンで、「朗読」を取り入れることは行なっていませんでした。

(もちろん、朗読をしたい方のレッスンでは、朗読指導を行なっていますが…)



スピーチなどの「原稿」を見ながら話す練習をすることはあっても、

文学作品などは、そのごく一部を、ちょっとした滑舌練習のために用いる程度だったのです。



ですが、ふと、「朗読」の練習をすることで、滑舌以外の、

仕事などでの「自分の話し」の上達にもつながることがあるなと思い至った
のです。



特に、

  • 人前で緊張しやすい方
  • 自己表現が苦手で、淡々と話すために伝わらない方
  • 内向的・完璧主義なタイプの方
  • そもそも、話すことが苦手な方

にとっては、良いのではないかと思います。



なぜかというと、朗読で、

話す時の「表現力」や、「能動的に発信する感覚」を鍛えられる
のではないかと思うからです。




仕事などでは、どれだけ良い内容のことを喋っても、

聞き手に伝わらなければ、全く意味がありません。



自分の話をしっかりと聞き手に伝えるためには、

それを声で表現して、聞き手の元へ届ける能動的な想いが必要です。


とりわけ、人前など、聞き手の人数が多くなると、

ただ言葉を発するだけでは、届かないのです。




このような「表現」と「能動的発信」の感覚を、

私自身は、朗読劇で身につけたのだと思い出しました。


変わったきっかけは、戯曲

私は、子供の頃から内向的で、自己表現も苦手なタイプでした。


おそらく昔は、話し方も淡々として、感情表現も乏しく、

何を考えているのか分かりにくい子供だったと思います。



ピアノやクラシックバレエなどを習ってはいましたが、

発表会などでも、”表現”することは苦手で、

「失敗しないようにやる」ことしか考えていませんでした。


悪い意味での、優等生タイプでしたね。





そんな私が変わった、最初のきっかけは、

大学時代に、演技のレッスンを受けたことです。



その時、基礎的な練習もそこそこに、

いきなり、戯曲(演劇の台本)を渡されて、読んだんですね。



戯曲のセリフだと、

学校の教科書読みのように「間違えずに読もう」とするのではなく、

「登場人物として、この言葉をどう表現しようか」ということに集中できたのが良かったのです。



これまでの内向的な「自分」だったら、出さないような声や表現で、

セリフを喋っていました。




この経験から、「話すこと = 表現すること」という感覚が生まれて、

自分の殻を破れた気がするのです。



そうすると、人前で話すことにも、すんなりと取り組めるようになりました。



「朗読」で話し方上達を目指すためのポイント

朗読によって、仕事などでの「自分の話し」を上達させるためのポイントとして、

まず、作品選びがあります。


これは、自分の好きな作品を朗読するのが、一番続くし、良いと思います。



ただ、現代語から外れていたり、俗語や、乱暴な表現を多く使っている作品は、

避けたほうが良いでしょう。


現代の丁寧な言葉で書かれている作品を朗読することで、

語彙力も伸ばせる効果があるからです。

  • 一人称で書かれた作品(一人語りのもの)
  • 会話文が多めに出てくる作品

も、表現しやすくて良いでしょう。




また、会話文のところは、登場人物の気持ちになって読む、ということをやりやすいのですが、

問題は、普通の文章のところです。


例えば、

『・・・なんとも言えない良いにおいが、絶え間なくあたりへ溢れております。

極楽は、ちょうど朝なのでございましょう』

芥川龍之介「蜘蛛の糸」


上記のような文章を朗読する時、

『なんとも言えない良いにおい』(この場合は蓮の花のにおい)が、その空間にただよっていることを、

どんな声で表現すれば、聞いた人がその「におい」や「情景」をイメージできるか?


「極楽の朝」の空気感を、どんな風に読めば伝えられるか?


という視点から、一つ一つの言葉を大切に発していくことをやっていきましょう。



朗読では、声だけで、聞き手に情景をイメージさせ、作品の世界に入ってもらうことが大切です。



それは、ビジネスや人前で話をするときに、

聞き手の心を掴みながら伝えていくことに通ずる
ものがあります。



これまでと同じように、自分の言葉を自分なりに話しているだけだと考えもしないような

「声の表現」や「言葉の発し方」を、

朗読をすることで、自分の中から掘り出していきましょう。



そして、それを「自分の話し」にも活用することで、

もっと表現力も発信力もある話になるのではないかと思います。