人前で話す時の”視線”と”ジェスチャー”のポイントは?【大阪/マンツーマン/ボイトレ・話し方教室】

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ビジネスパーソンのための「声と話し方の教室」講師の砂川顕子です。

ビジネス向けボイストレーニング・話し方教室。
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発声、滑舌、抑揚、話の組み立て、言いまわし表現等、ビジネスで必須の”話すスキル”をつけて伝えたいメッセージを自信を持って表現しましょう!


ビジネスにおいては
複数人の前で報告・発表・プレゼン・スピーチ等をする機会が
ありますよね。


大勢の前で話す大舞台でなくとも
5人以上の会議で報告をする、意見を述べる・・

また、メンバーが集まった中で
自己紹介をする、簡単なあいさつをする・・
ということはよく行われるでしょう。



そんな時に、

  • ずっと下を向いたまま話す
  • 資料から目を離さず説明を続ける
  • 棒立ちのまま無表情に話す

状況では、
みんなが真剣に耳を傾けてくれなかったり
印象が良くないことは、想像に難くないでしょう。



人前で話す時に
「なるべく前を見なきゃ」
という意識は、多くの方が持たれると思いますし

話の上手い人は
うまくジェスチャー(身振り手振り)を取り入れて
話していますよね。



でも単に

  • 前を見る
  • 目線を上げる
  • 手振りを入れる

意識するだけでは
印象や伝わり方があまり変わらないことがあります。


逆に、一生懸命に目線やジェスチャーを意識することで
せわしない印象に映ったり
慣れていないような違和感を与えたり
することもあるのです。



そこで、
人前や複数人の前で話す時に意識すべき
“視線”の向け方、”ジェスチャー”のつけ方と、
その根本である”意識・認識”について
書いていきます。


人前での”意識・認識”

「人前で話す時は、どこに目線をやればいいですか?」
「ジェスチャーってどうすればいいですか?」
という質問をよく受けるのですが、

私が思うに、大切なのは
「視線・目線」「ジェスチャー」という動作よりも
それを生み出す「意識・認識」
です。



なぜなら
単純に表面的な動作だけをやろうとしている人には
挙動に違和感を感じることが多い
からです。


それは
皆さんも聞き手の立場に立った時に
感じることがあるのではないでしょうか?





そこでまずは
人前で話す時の「空間認識」を変えてもらいたいのです。




例えば、30人の前で話す時
話をしながら、どこまでの人・空間を”認識”していますか?


どこまでの空間に対して、
自分の声と話を届けようとしていますか?




私がよく遭遇するのは
目の前にいる2~3人くらいの空間を強く認識して話している人です。





目の前にいる人は、集中して耳を傾けてくれることが多いですし
話す側としても、そこに意識を向けると話しやすいんですよね。



でもそうすると、
無意識に小さくまとまった印象の”話”になってしまいます。


つまり
声もボソボソとしがちになったり
目線も伏し目がちになったり
体の表現も小さくなる・・・


人前で話しているのに、
少人数で会話をしている時と同じくらいのエネルギーしか出ていないんですね。



そうすると
いわゆる、存在感が薄いイメージで
せっかく話したのに印象が薄い状態で終わってしまうのです。




そこで、人前で話す時には
聞き手が30人いたら
30人全体を覆う広い空間を常に認識しながら話すこと
を心がけてみてください。





話しながら常に認識する”空間”を変えるだけで
その広い空間に対峙するだけのエネルギーが出て
声が伸びやかになったり
表現が大きくなったりします。



結果的に、話をすることで
・その場の空気感を作れる
・聞き手全員を巻き込める
ようになる
んですね。




ここで言う「聞き手全体を覆う広い空間」は
話しながら「そこを見ましょう」ということではなく、
「見ている場所とは別に”常に認識した状態にしておく”」ことです。



例え、説明のために資料を読み上げる必要があって
“視線”は長く資料にあったとしても、
聞き手全員分の空間を常に認識した状態で
そこに届けようとして話す
ことが大切です。


人前での視線の向け方

空間の認識さえできていれば
話す時の”視線”は、さほど意識しなくて大丈夫です。


なぜなら
聞き手全員分の空間をしっかり”認識”できているならば
その認識に従って、私たちの視線は無意識に動くからです。






よく、
「聞いている人の中で均等に3人くらいを決めて
その3人を交互に見ながら話すと良い」
等のアドバイスがありますが、

外見的・表面的には目線を配っているように見えても
その人の根本に”広い空間認識”がなければ
単に目が泳いでいるだけに見えたり
上目遣いに自信なさげに見ているだけになったり
しかねません




聞き手全員の空間をしっかり認識したうえで
その全体に隅々まで
自分の声を届けよう!
話の内容を届けよう!
としながら
話しましょう。






そうすれば、おのずと
広い聞き手全体の空間に対して
視線を行き渡らせることができて、
余裕を持って話しているように見えるでしょう!



大事なのは
“視線の動かし方”ではなく
何を”意識・認識”しているか
です。


安易に視線だけを何とかしようとしても、
その目には輝きがありません。

それを聞き手は見抜くでしょう。


人前でのジェスチャー

人前で話す時のジェスチャーについても同様です。


「こう動かせば良い」
という表面的な動作を安易に真似すると、
わざとらしく感じられて、逆効果でしょう。






前述のとおり
聞き手全体を覆う広い空間を認識したうえで、
その空間全体に対して
「自分の頭の中のイメージを共有しよう!」
として話して
みてください。



頭の中のイメージとは

  • 話している内容のイメージ映像
  • 説明の流れの図式
  • 資料として目で見ている表

などです。



私たちは、話して伝えようとする時には
頭の中を、文字が文章としてを流れているのではなく、

何らかのイメージ(ぼんやりしたもの)が浮かんで
それを”言語化”や”文章化”しようとしているはずなのです。



例えば、
『昨日はAさんとパスタランチを食べました』
と言う時には、
上記の文字ではなく
Aさんとパスタの映像(画像)が頭にぼんやりあるでしょう。





また
『開いているアプリケーションをすべて保存して、閉じてから、パソコンの電源を切ってください』
と言う時には、
その場面の映像(画像)はもちろん、手順の図式が頭に浮かんでいる場合もあるでしょう。




このような頭の中のイメージを
聞き手全員にも、頭に思い描いてもらおう!
と思って話していると
自然と身振り手振りが付くよう
になります。




反対に

  • 原稿や資料の文字を追って読んでいるだけの時
  • 事前に考えた文章を頭の中で思い出している
  • 聞き手に伝えよう!届けよう!とせず言葉を発しているだけの時

には、ジェスチャーが付くことはありません。



「手をどう動かすのか」ではなく
「どうすれば自分の中のイメージ画像や図を、聞き手にも共有できるのか」
と考えながら話して、自然とジェスチャーが出る状態がベストです。





ちなみに、意図的にやってみると良いジェスチャーは
『1つめは』
『2つめは』
『もう一つは』
と順に説明していく時の、指立てです。




ジェスチャーをすることに慣れていない方は
これだけは意識してやってみると
他のジェスチャーでも体が動きやすくなりますよ。



このように、人前で話す時の”視線”と”ジェスチャー”は
まずは広い空間認識を持って、そこへ自分の

  • 頭の中のイメージ
  • 想い

などを、届けよう!伝えよう!とすることが大前提です。



自然と出る仕草や動作であれば
その”視線”ひとつ、”ジェスチャー”ひとつで
聞き手の心を掴んだり、巻き込んだり
することが出来るようになりますよ