誤解される「話の持って行き方」【大阪/マンツーマン/ボイトレ・話し方教室】

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ビジネスパーソンのための「声と話し方の教室」講師の砂川顕子です。

ビジネス向けボイストレーニング・話し方教室。
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発声、滑舌、抑揚、話の組み立て、言いまわし表現等、ビジネスで必須の”話すスキル”をつけて伝えたいメッセージを自信を持って表現しましょう!

日本語って、ほんと難しいなぁ
と思うことのひとつ。


ちょっとした言葉の「紡ぎ方」「つなぎ方」で
話した本人の意図とは違うニュアンスで
受け取られてしまう
ことがあるんです。


ビジネスでの伝達やコミュニケーションでは
誤解・行き違いにつながりますから、
避けたいことですよね。



どんな場合か、例を挙げましょう。


管理職になったばかりのAさんについて
Aさんの先輩であるBさんが論評をしました。



『Aさんは芯が強く、
自分の考えをしっかり持っていますが、
管理職として部下をまとめるのに苦労していますね。』




上記の話でBさんは

  • Aさんの長所を伝えていると思いますか?
  • それとも短所(出来ていないところ)を伝えていると思いますか?



聞き手側の解釈

上記の話を聞いた多くの人は、おそらく

  • どちらを伝えたいのか分からない
    (どちらも伝えている?)

    または
  • 最後の『苦労している』が結論だから、出来ていない点を伝えている

と思うのではないでしょうか。



聞き手側としては、
話が「。」で終わった最後の部分が”一番言いたい結論”
と認識しやすいからです。


話の最後の言葉が一番印象に残るから
『部下をまとめるのに苦労していますね』
Bさんが言いたかったことだと思うわけです。



でも、話しているBさんとしては
「Aさんの長所を話している」つもり

『Aさんは芯が強く、
自分の考えをしっかり持っていますが、
管理職として部下をまとめるのに苦労していますね。』


と無意識に言っていることがあるのです。




自分はそんなことはないよ!
と思われますか?


意外に、本人は気付かないまま起きていることなんですよ!

話す側の心理

人は即座に話す時に
まず一番に思い浮かんだことを口にしがちです。


そのため、後輩のAさんについて
「芯が強くて自分の考えをしっかり持っている」という
先に思い付いたこと(一番言いたいことをまず述べながら

後から思い付いた
「管理職になったばかりで苦労している」
という補足情報を付け足して話したつもりで

『Aさんは芯が強く、
自分の考えをしっかり持っていますが、
管理職として部下をまとめるのに苦労していますね。』


と言っていることがあるんですね。




加えて、話す側の頭の中に
「Aさんは優秀で信頼できる人物である」
「Aさんのことを悪く言うはずはない」
という自分なりの前提がある上で話していると、
聞き手に誤解を与える表現をしていることにも気付かないのです。



つまり、話す時には

  • 「一番言いたいこと+情報の付け足し」という思考の順序のまま話をつなげてしまう
  • 自分なりの無意識の”前提・当たり前”がある

ことが原因で
受け取り側(聞き手)との齟齬を生む結果になりやすいんです。

誤解が生じないために

先述のように聞き手は、
話を「。」で区切ったところが”一番言いたい結論”だ
と認識しやすいので、
言いたいことの後には
話を一旦「。」で終わらせる(言い切る)癖を付けましょう





逆に、補足の情報であれば
『~ですが、』
『~ですけれども、』
『~ではありますが、』
等でつなげて、言い切らないように
します。



『彼は芯が強く、
自分の考えをしっかり持っています。』

今は管理職として部下をまとめるのに苦労していますけど
彼なら大丈夫でしょう。




そうすると、
使っている言葉や、話の順序は
最初とほぼ同じですが、
逆の意味合いが伝わるようになりました
ね。





また、
『Aさんは優秀ですから』
という自分なりの”前提”も言語化して伝えれば
誤解は生じませんでした。



無意識に持っている”自分なりの前提”や”自分の中での当たり前”は
言葉にすることも忘れがち
です。


そこに気付ける俯瞰的な視点を持ちましょう。



話したことが
「こちらの意図とは違うニュアンスで受け取られてしまう」
「伝えたかったことが伝わらない」
ということが起こらないように

  • 話を区切るところ「。」
  • 自分の”前提/当たり前”を聞き手と共有しているか

に配慮して言葉を紡いでいきましょう!