伝わる話をするには、聞き手に「イメージしてもらう」ことを怠らないで【大阪/マンツーマン話し方教室】
ご覧いただきまして、ありがとうございます。
ビジネスパーソンのための「声と話し方の教室™」講師の砂川顕子です。
今回の内容を動画でご覧になる場合はどうぞ↓
皆さんは、話や説明をするときに、
「聞き手に、話の内容をイメージしてもらう」
ことを意識されていますか?
聞き手は、話の内容を、
「言語(言葉の意味)」だけでとらえるのではなく、
「イメージ(頭の中で映像化)」することで
理解を進めたり、納得したりする場合が多々あるのです。
例えば、
『山の桜がちょうど満開で、遠くから見ると、山がピンク色に染まっていましたよ』
という話を聞いたとき、
「山」「桜」「ピンク色」
などの言語情報だけで話を理解するのではなく、
頭の中で、無意識にその「情景」を思い浮かべませんか?
はっきりとした映像が思い浮かばなくても、
内容を理解しようとする時に
ぼんやりイメージするのではないでしょうか?
逆に言うと、情景をイメージできなかった場合には、
その話には興味を持てなかったり
聞き流してしまったりすると思います。
『山の桜がきれいでしたよ』
とだけ聞いたとしたら、
さほどイメージが浮かばず
「ふーん・・」と聞き流すかもしれませんね。
ということは!
聞き手が頭の中でイメージ映像を作れるよう
話で導くことができれば、
- 興味を持ってもらう
- 深く納得してもらう
- すんなり理解してもらう
- 行動に移してもらう
ことが可能になるんですよね。
これは、プレゼンやスピーチ、商品説明、自己紹介、報告、面接など、
ビジネスの場面で話す時・説明する時にも
もちろん当てはまります。
では、少し長めのお話の例として、
仕事場の皆さんに
情報共有・周知・依頼をするときを考えてみましょう。
オフィスフロアの廊下などに物を置いているのを片付けてほしい
と周知・依頼する場面を想定します。
イメージしにくい話の例
フロアの出口や、廊下や、階段に物を置いていると、
地震で崩れてきたり、火事だと燃え広がったりして、逃げ遅れる危険があります。
東京で、階段に物を置いていた雑居ビルが火事になって、
40人以上が亡くなったケースもありますので、
今置いてあるものを片づけたら、物を置かないで、オフィスの整理整頓に努めてください。
音声サンプル:イメージしにくい話の例
これは、自分の言うべきことだけを
そのまま口にしている印象ですね。
話の冒頭から、
「一体何の話が始まったのか」
「この人は何が言いたいのか」
が分かりにくいですから、
聞き手は、話の要点を探ろうとして
必死に「言語」を聞いてしまいます。
当然、内容をイメージしながら聞くことはできないでしょう。
最後まで聞いて
やっと言いたいこと(「避難経路に物を置かないでね」)が理解できたとしても、
そこまでの話に納得感がないため
理解して行動に移そうという気が起きませんね。
このような、イメージしづらい話には、
- 言葉や情報が、唐突に出てくる
- 一文(「。」まで)の中に情報量が多い
- 話の間(ま)がない
などの特徴があります。
では、全く同じ内容の話を
聞き手がイメージできるように意識して話してみた例を挙げてみます。
イメージが浮かびやすい話の例
災害が起こった時のことを想定して、オフィス内の整理整頓に努めてください。
というのも、地震や火事が起こって、避難しようとするとき、
フロアの出口や、廊下や、階段に物が置いてあると、邪魔になって逃げ遅れる危険があるからです。
火事だと燃え広がる原因になるかもしれません。
以前、東京の雑居ビルで火事があったのですが、
そのビルでは、階段を物置代わりに使っていて、スムーズに避難できなかったんだそうです。
そのため、逃げ遅れて、40人以上が亡くなったということがありました。
ですから、まず、今置いてある物を片づけていただいた上で、
今後は、出口・廊下・階段に物を置かないように、お願いします。
音声サンプル:イメージが浮かびやすい話の例
ここでは、まず冒頭で、話の要点を言っています。
「一番何を言いたいのか」を明示して、分かってもらったうえで、
具体的な内容をイメージをしてもらえるように
話していくんですね。
聞き手が、一つ一つ段階を踏みながらイメージできるように、
一文の中に入れる内容が
だいたい2つ以内と、少なくなっています。
さらに、過去の事例(東京の雑居ビル火災)をイメージしてもらうことで
聞き手の危機感が高まるため、
「物を置いてはならない」理由としての説得力も高まります。
そして、最後に、皆さんにやってほしいことを2つ挙げていますね。
1.「今置いてあるものを片づける」
2.「今後は物を置かない」
これらも、聞き手に
やるべきことをイメージしてもらうことで、
具体的な行動に結びつきやすくなります。
このように、ただただ、自分が言うべきことを話すのと、
聞き手にイメージしてもらえるように意識しながら話すのとでは、
伝わり方・説得力・分かりやすさが大きく違ってくるのです。
自分が喋ることだけを考えるのではなく、
聞き手にイメージしてもらえるように、という視点で考えて
お話しみてくださいね。