話す速さは一律だと伝わらない!?話すペースの工夫を【大阪/マンツーマン話し方教室】
ご覧いただきまして、ありがとうございます。
ビジネスパーソンのための「声と話し方の教室」講師の砂川顕子です。
今回は、話す速さについてです。
他人の話を聞いていると、
話すペースが速いなぁ(早口だなぁ)とか、
逆に、ゆっくりすぎて退屈だなぁ
なんて、感じることがありますよね。
でも、自分の話す速さって、認識しづらいですし、
どうペースを調整すればいいのか分からない方もいらっしゃると思います。
会話のやりとりであれば、話しながら相手のペースに合わせることが出来ますが、
プレゼンやスピーチや説明など、自分主導で話す場面では、
話すペース(速さ)を気にしないと、途端に伝わらない話になってしまいます。
実は、話すペースとは、
単に「速くする」または「ゆっくりにする」だけで語れるものではないのです。
例えば、話すのが速いと指摘されたら、単にゆっくり喋れば伝わるのか・・?というと、
そんな単純ではないのですね。
では、実際に聞いて確かめていただきましょう。
同じ文言を、速く喋った場合と、ゆっくり喋った場合で、
「伝わり方が変わったのか」を聞いてみてください。
今回の内容を動画でご覧になる場合はどうぞ↓
例題
ウーロン茶の製法の特徴は、収穫した茶葉に熱を加えて、発酵を途中で止めることです。
半分発酵させると書いて、半発酵と呼ばれる製法です。
音声サンプル:速いペースで話した場合
音声サンプル:ゆっくりペースで話した場合
速いペースで話したものは、話についていけないために伝わらない感覚があると思いますが、
ゆっくりのペースで話したとしても、伝わる話になったとは言い難いのではないでしょうか。
上の音声サンプルは、速いパターン・ゆっくりのパターンともに、
最初から最後まで一律の速さで話しているんですね。
また、話の間(ま)を取るところでも、一律の長さの間(ま)を取っています。
このように、まるでメトロノームのように、同じペースで、同じ間(ま)の長さで話してしまうと、
ペースが速かろうが、ゆっくりだろうが、
話の要点が分かりづらくなって、伝わりづらい話になってしまいます。
では、話すペースは、どのように調整していけばよいのでしょうか。
話す速さのポイントとしては、
- 大事な言葉だけゆっくり、それ以外はテンポよく
- 間をしっかり取る
ことです。
では、先ほどと同じ文言で、
上記の2点のポイントを踏まえて話してみた音声サンプルをお聞きください。
音声サンプル:大事な言葉だけゆっくり・間をしっかり取る
ここでは、話の中の大事な言葉として、
『茶葉に熱を加えて』
『発酵を途中で止める』
『半発酵』
という部分だけを、ゆっくりと発音し、
それ以外は、テンポよく話してみました。
また、一つ一つ段階的に説明していくところでは、間(ま)をしっかりと取って話しました。
こうすることで、
テンポは良いけれど、速すぎて説明についていけないこともなく、
話の中の大事な言葉だけが、適切なタイミングでしっかりと聞こえてくるようになって、
話全体の趣旨が伝わるようになるのです。
このように、話すペースは、
一律に速くしたり、ゆっくりしたりして調整するのではなく、
「伝えたいこと」によって、変化をつけられるように工夫しましょう。
聞いている人を惹きつけるためには、話にテンポも必要です。
それがないと、間延びした印象になって、
聞き手の集中力が切れたり、伝えたいことが分かりにくくなったりします。
ある程度のテンポ(速さ)がある中で、大事な言葉はしっかりと聞こえてくるように、
ペースの緩急が必要なのです。
「速く」話す・「ゆっくり」話すだけではない、伝わる工夫をしてみてくださいね。