接客で同じ言葉を言っても、印象の良い人と悪い人がいるのはなぜ?【大阪/マンツーマン話し方教室】
ご覧いただきまして、ありがとうございます。
ビジネスパーソンのための「声と話し方の教室」講師の砂川顕子です。
今回は、
「接客で、同じ言葉を言っているのに、
印象が良い人と、悪い人がいるのはなぜ?」
というテーマで書きたいと思います。
接客でよく使う言葉がありますよね。
『いらっしゃいませ』
『ありがとうございました』
『少々お待ちくださいませ』
『かしこまりました』
『お待たせいたしました』
などなど。
これらの言葉一つで、
お客様に良い印象を与える場合と、
悪い(良くない)印象を与える場合がありますよね。
これは、自分がお客様の立場だと、よく分かることだと思います。
まず、悪い印象を与える原因としては、
「心」と「態度」があります。
例えば、
- 言っているだけで心が全くこもっていないのが、言葉に表れている
- よそ見をしながらや、他のことをやりながら言っている
- 疲れていたり忙しかったりで、イライラが表れている
などですが、これは問題外ですよね。
悪い印象を与えてしまっても仕方がありません。
そもそもの、人に接する際の気持ちを、改める必要があります。
ですが、これとは別に、
きちんとお客様と向き合っているつもりなのに、
発した言葉(声)で、あまり良い印象を持たれない場合があります。
では、考えられる原因をまとめてみましょう。
- 表情
- 声の張り
- 抑揚
1.表情
お客様対応をする時の表情は、
見た目の印象だけに作用すると思われがちですが、
そうではありません。
表情によって、声がガラっと変わるのです。
表情を変えることによって、口の中や鼻の中の形も変わります。
そうなると、声の響き方が変わるのです。
表情は声の調節部品の一つだと思ってください。
明るい印象や、優しい印象を与えるには、
当然「笑顔!」が一番ではあるのですが、
自分では笑顔を作っているつもりでも、
口角の表面だけが上がって、頬全体は引き上げられていないことがあります。
頬全体の表情筋が引き上げられることで、
頭の上の方に響く、明るく柔らかい声が出やすくなるので、
口先だけの笑顔になっていないか、確認しましょう。
目の周りの筋肉もグッと上に引き上げるように使うと、
より明るいトーンになります。
逆に、
『大変お待たせいたしました』や
『申し訳ございません』
などを、表情筋を引き上げて明るい声で言ってしまうと、ダメですよね。
目の周りや表情筋の力を抜いて、謝罪の気持ちを表しましょう。
自分が思っているよりも、表情によって声が変わっていることを認識しましょう。
2.声の張り
声が弱々しかったり、息交じりの声しか出なかったりすると、
やはり良い印象を与えられません。
張りのある声を出すには、腹式発声をお勧めします。
腹式発声については、過去記事も参考にしてください。
下記リンクからどうぞ。
伝わる話し方の基本!「話す時の呼吸」を身につける練習法
話す時に必要な腹式呼吸についてまとめ
そして、腹式発声をする時の最も大事なポイントは、「リラックス」です。
力まず、ラクに、
でも張りのある声が出るのが、腹式発声のメリットです。
胸~肩~首~顎にかけて、力が入っていると、
腹式発声をしても張りのある声は出ません。
「大きな声」を出そうとするのではなく、
「張りのある」声を目指しましょう。
また、話す時に息をたくさん使ってしまって、
息交じりの声になってしまう癖のある方は、
腹式発声 + タクシーの運転手さんになった気持ち
を試してみてください。
タクシーの運転手さんがお客さんと会話をする時、
前を見ながら、後ろの人に声を届けていますよね。
その感覚で、前を向きながら、
真後ろにいる人にも挨拶をするイメージで声を出してみることで、
息の消耗が抑えられる場合があります。
3.抑揚
抑揚を適切につけることで、お客様に生き生きした印象を与えられます。
逆に、おかしな抑揚がついてしまうことで、
場合によっては良くない印象を与えてしまうこともあります。
『いらっしゃいませ』という言葉で例えてみましょう。
まず、アクセントの抑揚(声の高低)としては
『いらっしゃいませ』
青字部分で、少し声が高くなります。
青字部分の声があまり高くならない場合、
一本調子に聞こえたり、感情が入っていないように聞こえて、
良い印象を与えられません。
次に、最後の「せ」の抑揚(声の高低と強弱)です。
・『いらっしゃいませ』
と、最後まで高めに発することで、明るい印象になります。
・『いらっしゃいませ』
と、最後の「せ」を少し低めに発すると、落ち着いた印象になります。
・『いらっしゃいませー↑』
と、最後の「せ」を伸ばし気味に強く上げると、威勢がよくなります。
元気なイメージのラーメン屋さんとか、居酒屋さんでは、良いと思いますが、
ビジネスシーンなどでは、雑な印象を持たれかねません。
このように、抑揚のつけ方、程度によって、
お客様に与える印象が変わってきます。
声の高い・低いや、声の強弱を、
どのように表現すべきか、考えてみましょう。
短い言葉でも好印象を与えられたら、
その後の接客対応もやりやすくなりますよね。
いつも使っている言葉の言い方を、少し見直していただくだけで、
第一印象がガラっと変わるかもしれません。