腹式発声では、腹筋のどの辺の力を使うのか?【大阪/マンツーマン話し方教室】

ご覧いただきまして、ありがとうございます。
ビジネスパーソンのための「声と話し方の教室™」講師の砂川顕子です。

 

今回の内容は、

レッスンで腹式発声をやった時に

生徒さんからよく聞かれるご質問です。

 

腹式発声・腹式呼吸について

詳しくは下記のリンクよりご覧ください。

話す時に必要な腹式呼吸についてまとめ

 

 

さて、腹式発声は、

肺の下の横隔膜という筋肉(インナーマッスル)を

腹筋を使って押し上げながら声を出す発声法です。

 

でも、単に「腹筋」といっても

お腹周りの筋肉はいろいろとありますよね。

 

  • おへそのあたりの筋肉か?
  • おへそよりの筋肉か?
  • おへそのの筋肉なのか?
  • お腹まわり全体の筋肉を使うのか?

 

実際に、腹式発声を身につけようとしたときに

どこの腹筋をどう使えばいいのか?

と迷われるようです。

 

 

頭で考えない方がいい

先ほど、腹式発声は、

腹筋で肺の下の「横隔膜」を押し上げる

と書きましたが、

そもそも「横隔膜」をしっかりと体で認識できて

腹筋ですぐに動かせる人は少ないと思います。

 

頭であれこれと

「息を吸うときに、横隔膜を下げる」

「息を吐く時には、腹筋で横隔膜を押し上げる」

と考えながら、自分の体を動かそうとしても

思うように動いてくれないですし、

それだけで手一杯になってしまいます。

 

さらに、腹筋のここら辺に力を入れながら・・・と考えて

声を出す、ましてや話すとなると大変です。

 

 

人前やビジネスで話している最中は、

「どう言おうか?」「何を言おうか?」

とものすごく頭を使いますから、

それに加えて、横隔膜の動きも考えながら呼吸して話すのは

至難の業ですね。

 

ですので、私は、

初めは頭で考えて体を動かそうとするのをおすすめしていません。

 

 

自然と腹筋を使えるのが理想

そこで、自ら腹筋や横隔膜を”動かそう”とするのではなく、

「声を出そうとすると自然と(勝手に)腹筋を使える」

状態にしましょう。

 

そのためには、上半身をリラックスさせることが最も大切です。

 

では、以下の方法をお試しください。

 

  1. あお向けに横になって、全身の力を抜く


  2. そのまま改めて息を吸わずに、天井に声を当てるように「はー」と息がなくなるまで声を出す


これを試したとき、

自然とお腹辺りに力が入って、腹筋が動いたのではないでしょうか。

 

脱力状態で、声を出そうとしたら

体は腹筋を使うしかないからです。

 

この時に、勝手に体が反応して使った”腹筋”が、

腹式発声で使うべき”腹筋”です。

 

声を出す時に、腹筋を自分で動かそうとすると、うまくいきません

 

あくまでも、あお向けで脱力した状態から、

天井に向かって声を当てることに集中しましょう。

 

 

あお向けに横になって、腹筋で横隔膜を押し上げる感覚をつかんだら、

今度は、

  • イスにだらーんと腰掛けてやってみる

  • 少し姿勢を正してやってみる

と、徐々に話す時に近い体勢で声を出してみて、

同じように自然と腹筋を使えるかどうか、試してみましょう。

 

姿勢を正すと、うまく腹筋を使えなくなる人もいらっしゃるのですが、

それは、胸や肩や背中に力が入ってしまうからです。

 

 

姿勢を正すことで、上半身の無駄な力を抜く感覚が分からなくなったら、

また、あお向けに近いダラーンと脱力した体勢に戻って行いましょう。

 

このようにして、腹式発声で使う腹筋を、

自分で確認していってください。

 

自分の体が教えてくれるのです。

 

 

まとめ

腹式発声が身につかないうちから

自分でなんとか腹筋を動かそうと頑張ると、

間違った方法で覚えてしまうこともあります。

 

まずは上記の方法で

「腹筋を使って声を出す」感覚を身につけていただければ、

徐々に、自分で腹筋の力加減を変えていくこともできるようになります

 

人前やビジネスで話をするにあたって

  • 大きな声をポンっと出す時

  • 息が少なくなってきた状態で、息を続かせて話す時

  • 声のボリュームを絞って声を出す時

など、それぞれに

使う腹筋の場所や、力の割合が、微妙に変わってくるので、

一概には”どの場所の腹筋を使う”と言えなかったりもします。

 

あお向けで脱力した状態で、声を出してみて、

「大きい声を出そうとすると、この辺の腹筋を使うな」

「息が少なくなると、この辺の腹筋に力が入ってくるな」

と、自分の体で確認してみてくださいね。