話が伝わらない最大の原因とは?【大阪/マンツーマン話し方教室】
ご覧いただきまして、ありがとうございます。
ビジネスパーソンのための「声と話し方の教室」講師の砂川です。
職業柄、自分の話し方や、たくさんの人の話し方を分析する機会が多いのですが、
“話が伝わらない”原因は、人それぞれに、様々な要素がミックスされているものです。
様々な要素というのは、例えば、
- 声が届かない
- 滑舌がはっきりしない
- 抑揚が適切につかない
- 言葉数が多い or 足りない
- 話す順番が適切でない
- 言葉や表現の選択が適切でない
- 話すペースが速い or 一定
などなど。
細かく言えば、このほかにもあるのですが、
これだけを見ると、「伝わる話し方」をするのって、難しいと感じられるかもしれません。
でも、これらを包括した、話が伝わらない”最大”の原因があるのです。
それは、「話す人が、言葉に意味づけをしていないこと」です。
言葉に意味づけをしていないとは?
このブログでも何度か触れていることですが、口から発する言葉って、単なる”音”です。
例えば、
『この商品は、アレルギーを発症する原材料を使用していません』と言う時、
話す側が、
- 原稿や資料の文字を読み上げているだけ
- 次に言うことを考えながら言葉を発する
ような状況であれば、ただの”音”を口から発しているだけ、に近くなります。
『このしょーひんはあれるぎーをはっしょーする・・・』という”音”ですね。
その”音”を聞いて、聞き手が自分の中で、”音” → ”意味のある言葉”に変換して理解してくれたり、
逆にその気がなかったら、単なる”音”として聞き流したりするのですね。
『使用していま・・』と文末が聞き取りづらかったとしても、
聞き手は、話の流れから、きっと『使用していません』と言ったのだろう、と推測して理解することもよくあります。
“音”に対する意味付けを、聞き手にゆだねている時点では、
当然、聞き手は、自分が聞きたい情報しか受け取らないし、自分なりに解釈して終わるでしょう。
つまり、話す側の「伝えたいこと」「伝えなければならないこと」は、伝わらないので、
誤解が生じたり、後から「言った・言わない」の論争になったりしかねないのですね。
言葉に意味づけをするには、言葉に焦点を当てる
話す側が、言葉に”意味づけ”をして、口から発することで、
聞き手には、”音”ではなく、”意味”として届きます。
先ほどと同様に、
『この商品は、アレルギーを発症する原材料を使用していません』と言う時を例に挙げましょう。
『この商品』と口にする時には、どの商品なのかがはっきりと分かるように、
手差しをするなり、直前の話とつながるように表現するなりして、
自分と聞き手とで、理解を共有できるようにする。
また、聞き手の方を見て、理解を共有できているか確認する、という気持ちが必要です。
さらに、『アレルギーを発症する原材料』と口にする時には、
実際に、アレルギーのことや、アレルギーを発症する原材料を頭にイメージすると同時に、
聞き手の反応を見て、「アレルギーを発症する原材料の具体例」を言った方がいいのか、言わなくても大丈夫か、を確認します。
『使用していません』と口にする時には、最後の『いません』という否定形を、一番言いたいこととして届けるように言います。
このように、「日本語を発音しさえすれば、理解してもらえるだろう」ではなく、
「言葉に、自ら意味づけをして発することで、やっと日本語の”意味ある言葉”として受け取ってもらえる」
という認識に変えることができれば、話がもっと伝わるようになるのです。
「心を込めて話す」とよく言いますが、
これは、大げさに演技するように話す、ということではなく、
「一つひとつの言葉や表現に、自らの中で焦点を当てて、意味づけをしてから発する」ということです。
「言葉の意味」も、「言いたいこと」も、
話す側がその”意味”に焦点を当てないまま、なんとなく口にしても、伝わるわけがないのですね。
まとめ
こうして、一つ一つの話を、自ら意味づけをして口から発するように心がけることで、
自然と、聞き手まで届く声になったり、滑舌がはっきりしたり、抑揚がついたりもするのです。
また、併せて、話しながら聞き手の反応を確認できるようになると、
分かりやすい話の順序や、言葉の選択、話すペースなども、
聞き手に合わせて適切に変えられるようになっていきます。
話す時に、単なる”音”を聞き手に届けていないか?
ご自身のお話を振り返ってみてくださいね。