分かりやすく、説得力を持って話すための語彙力をつけるトレーニング【大阪/マンツーマン話し方教室】

ご覧いただき、ありがとうございます。
ビジネスパーソンのための「声と話し方の教室™」講師の砂川顕子です。



今回は、

  • 分かりやすく話すために
  • 説得力を持って話すために

語彙力をつける簡単なトレーニング法をご紹介します。




話す語彙力をつける方法については

過去の記事でも書いていますので、

よろしければご覧ください。


人前で話すための”語彙力”を伸ばすには


話す語彙力~「すごい」から卒業しよう~


今回の内容を動画でご覧になる場合はどうぞ↓



会議などで意見を求められた時や

プレゼンテーション・セミナーなどで

説明をしなければいけない時に

「何をどう言えばいいのか分からない・・・」

「同じ言葉ばかりを言ってしまう・・・」

という経験が重なると

語彙力をつけたいなぁと感じられると思います。







さて、まず前提として

話すための語彙力をつけることは、

「たくさんの言葉・表現を覚える」こととは違います。




語彙力を「つける」と言うと

インプットのイメージ(自分に取り込むイメージ)が

あるかもしれませんが、

話すための語彙力で必要なのは

「アウトプット力」
です。




つまり、たくさんの本を読む(黙読する)ことより、

たくさんの言葉や表現を「口から発する」ことが

トレーニングとして一番大切なのです。






ですから、もし本を使って語彙力をつけようとするのであれば、

本の内容を「声に出して」言ってみましょう。



そうすると、「書き言葉」で書かれている本は

言いづらく感じるでしょうから、

なるべく「話し言葉」で書かれている本を選んでみてください。




※「書き言葉」と「話し言葉」については

以下の記事を参考にしてください。


“書き言葉”ではなく”話し言葉”で話しましょう





今回は、本を使わないで

自分で語彙力を上げていくトレーニング法を3つご紹介しましょう。

  1. 具体的に言い換える

  2. マイナスからゼロ、ゼロからプラスを言い換える

  3. 音読みと訓読みを言い換える


上記のように、すべて「言い換える」トレーニングです。






話す語彙力をつけるには

難しい言葉や表現を使おうとするのではなく、

すでに知っている言葉・皆がすんなり理解できる平易な言葉を使って

多方面から話せるようになる
ことが大切だからです。




同じ内容を、言葉を変えて説明できる人の話は

理解が深まるために分かりやすいと感じます。



また、言葉を変えながら一貫して同じ内容を説明することで

話の筋が通って説得力が増すのです。




それでは、言い換えのトレーニング法を

具体的に見ていきましょう。


1.具体的に言い換える

「良い言葉が出てこない」

「どう言えば良いのか分からない」

とおっしゃる方は、

抽象的な言葉を何度も使って話す傾向があるように思います。




例えば、次のようなお話をされます。



『私は目標達成に向けて、努力をすることが大切だと思います。

ですから今後も、たゆまぬ努力を続けていきます。』





上記のように

何度も「努力する」と、

同じ抽象的な言葉を繰り返してしまうのです。






そこで、「努力する」という言葉を

具体的な言葉に言い換えてみましょう。




あなたにとって

「努力する」とは具体的にどういうことでしょうか?




抽象的な言葉を、具体的な言葉に言い換えてみましょう。





人によって

『毎日コツコツ続けること』

『他人の2倍は行動する』

『自分に課題を課してクリアしていく』

などなど、言い換えられるでしょう。




このように、抽象的な言葉を発言したら、

別の言葉で具体的に説明する癖をつけていきましょう。



それが、語彙力をつけるトレーニングになっていきます。





「努力する」以外でも

「一歩下がる」

「チャレンジする」

などの抽象的な言葉を

自分にとってはどういうことか?

どういうニュアンスで伝えたいのか?

と考えて、言い換えてみましょう。



2.マイナスからゼロ、ゼロからプラスを言い換える

プレゼンテーションや商品説明をしたり

他人に行動してもらいたい時などは

「それをするメリット」

を述べることがよくあるでしょう。




例えば

『~すれば、面倒な手間がかからなくなります』

『時間を有効活用できるようになります』

などですね。




上記において、

①は、マイナスからゼロのメリット

つまり、マイナスなことが無くなることを述べているのに対して、


②は、ゼロからプラスのメリット

つまり、今は無いものを手に入れられることを述べている

のがお分かりでしょうか。




このように、メリットを述べる時には、

マイナスからゼロを言ったなら、

同じメリットにおいて

ゼロからプラスも述べることができないか、

と考えてみましょう。





こんな風にして

一つの事象に対して、視点を変えて言い換えられると

表現の幅が広がる
ようになります。




これは、普段からこのような頭の使い方や

視点の変え方をしていないと、パッとはできませんから、

思考のトレーニングをしていくことで

同時に言葉も出て来やすくなります。




では、例題として

『この素材はアレルギーを引き起こしません』

というメリットを言い換えてみましょう。



上記の例題は、

マイナスからゼロのメリットを述べていますね。



これをゼロからプラスのメリットへ言い換えたら

どうなるでしょうか?






これは、どんな「素材」を思い浮かべたかによって

『安心してお使いいただけます』

『赤ちゃんにも優しいです』

などなど、様々に言い換えられたと思います。




色んな「素材」をイメージして

言い換えのトレーニングをしてみるのも良いですね。



3.読みと訓読みを言い換える

自分が話している時に使っている言葉は

漢字の”音読み”なのか”訓読み”なのかを

気にしたことがあるでしょうか?



ビジネスでちょっと硬い言いまわしをしようとしたり

資料をそのまま読み上げたりしていると

“音読み”が多くなってしまいがちなんです。



例えば

『耐水性が向上しました』

と言うと、

“音読み”で話していることになります。



『耐水性(たいすいせい)』⇒音読み

『向上(こうじょう)』⇒音読み




これを”訓読み”で同じ意味の言葉にすると

『より水に強くなった』

などとなるでしょうか。



「みず」も「つよい」も漢字の訓読みですね。






漢字の”音読み”は漢語ですから

文字を読む時には一目で意味が分かる
メリットがあるのですが、

話す時(耳で音を聞く時)には

“訓読み”(和語)の方が、意味やイメージをパッと理解しやすい
場合もあるのです。




音で聞いた時に

『たいすいせいが こうじょう しました』

と聞くより、

『より みずに つよく なりました』

と聞く方が、瞬時に意味を理解できるんですね。






もちろんこれは、

話では”音読み”を使わない方が良い、ということではありません!



音読み(漢語)でも、音で聞いて

皆の共通認識として、意味を理解しやすい言葉はたくさんあります。





ただ、

「ちょっと硬い言葉だったな」と思う時や

「音で聞いて分かりにくいかな」と思う時、

資料に書いてある書き表現をそのまま読み上げた時などは

同じ意味の言葉を”訓読み”で言い換えてみることは有効
です。





『耐水性が向上しました。

つまり、より水に強くなったんです』

とすぐに”訓読み”(和語)で言い換えることで

分かりやすく話している印象になったり

重ねて話すことで説得力が増したりするでしょう。





“音読み”と”訓読み”という認識までは出来なくても、

  • 硬い言葉
  • 書き言葉
  • 同音異義語や似た音がある言葉
  • 聞き慣れない言葉

は、平易な言葉ですぐに言い換えて表現する癖をつけるようにしましょう。


分かりやすさや丁寧さが格段に上がります。





それでは、例題として

『音声遅延問題があります』

という言葉を、”訓読み”表現(和語)を使って

言い換えてみましょう。







『声が遅れて聞こえるという問題があります』

などになるでしょうか。



「音声」や「問題」という言葉は、”音読み”ですが

聞き慣れている言葉であれば、

“音読み”のまま使うほうが伝わりやすい場合もあります。



聞き手の属性によって

言葉を変えて話せるようになりましょう。





今回、言い換えるために使った言葉は、

すでに皆さんの中にあった言葉だったのではないでしょうか。




これまでの人生で、言葉や表現にはたくさん触れてきて

頭の中に蓄えがあるはずですから、

それらをうまく組み合わせてアウトプットできるようにしていきましょう。