人前で話す時の空間認識の大切さ【大阪/マンツーマン話し方教室】

ご覧いただきまして、ありがとうございます。
ビジネスパーソンのための「声と話し方の教室™」講師の砂川顕子です。

 

今回は、話す時の“空間認識”について書きたいと思います。

 

 

人前で話をされる時、

あなたの目の前にだいたい何人くらいの人がいるでしょう?

 

場合によって、10人や30人、

多ければ100人以上など

様々だと思うのですが、

聞いている人達全員が存在している「空間」をしっかりと認識して

その「空間」全体に届くように話せていますか?

 

 

「聞いている人全員の空間を認識する」

「その空間全体に話を届ける」

が出来ていることは、

伝わる話をするための大切なポイントになります。

 

 

空間なんて、意識したことない!

という方もいらっしゃると思いますが、

うまく”空間認識”が出来ていないときは、以下のような場合です。

 

  1. 自分のことだけで必死

  2. ぼんやりと目線を向けている

  3. なるべく遠くへ届けようとしてしまう


1.自分のことだけで必死

人前が苦手で、緊張が激しいタイプの人や

原稿や資料を必死に読んでいる人は、

聞いている人のことを感じる余裕がありません。

 

自分だけが、透明カプセルの中のような、別の空間で話していて

その外側に聞き手がいる、

というような状態になってしまいます。

 

 

これは、話す側が自ら

聞き手との間に壁を作ってしまっている状態です。

 

自分の空間の外にいる人が怖く感じられて、

余計に緊張してしまう原因になります。

 

 

また、聞き手は置いてけぼりになるので

より一層引いた目で見てしまいます。

 

話の内容よりも

「緊張しているなー」

「頑張って話しているけど、下手だな」

「今、噛んだな」

など、

話している人自身の一挙手一投足や印象に注目してしまいがちになります。

 

 

当てはまる方は、

まず、話し始める前に

聞いている人がいる空間をしっかりと見渡して、感じましょう

 

聞いている人をジロジロ見るのではなく、

あくまで「空間」を見渡して、しっかりと体で感じることです。

 

 

自分の周りにあるパーソナルな空間がどんどん広がっていって、

聞いている人全体を包むように拡大していくイメージを持つのも良いと思います。

 

  • 聞き手と同じ空間に入ること

  • その空間の広さを意識すること

  • 同じ空間の人たちに話しかけること

を意識することを試してみてください。

 

 

2.ぼんやりと目線を向けている

下ばかり向いてたらダメだから前を見よう!

と思っている方や

 

自信がないけど頑張って話さなきゃ!

と思っている方などは、

 

一応、聞いている人の方を見るように

努めていらっしゃると思います。

 

 

また、皆に挨拶するような場面では

前を向くしかないですよね。

 

 

ただ、前にいる聞き手の方を見てはいるけれど

  • 自分の近くの一部の空間しか認識出来ていない

  • ぼんやりと曖昧な空間しか認識出来ていない

ことも多いです。

 

聞き手の方を見るといっても

ぼんやりと、なんとなく聞き手の方へ目線を送ったり

チラチラと前を見たりしている状態なんですよね。

 

その状態は、

聞き手を見ているようで、見ていない

聞き手に対して意識がしっかりと向いていない

と言えます。

 

そうすると、話を届ける対象がぼやけてしまいます。

 

 

また、大勢の前でマイクを使って話す場合は、

マイクによってちゃんと声が聞こえているからと思って

地声で話す時よりも狭い空間に対して話してしまうこともあります。

 

このような場合の聞き手は、

声は聞こえているけれど

「自分に対して話しているわけではない」

という感覚になり、

ちょっと引いた目で見てしまいがちになります。

 

聞き手にとって有益そうな情報だけは

耳を傾けてくれるかもしれませんが、

それ以外は上の空で耳に入っていないことも多くあるでしょう。

 

 

まずは聞き手が存在している空間全体を、

後ろ・左右までしっかりと見て感じることが大切です。

 

話す前に、ゆったりと見てから話し始めましょう。

 

 

そして、全体の大きな空間を認識したからといって、

全体に対してふわっと話を行き渡らせるようとすると

逆に伝える対象が定まらず、散漫になります。

 

聞き手からしたら、これまた

「自分に対して話されていない」

という感覚になりかねません。

 

認識した空間を「一つの塊」として、

「一人」に対して話すのと同様に

「一塊」に対して話すようにしましょう。

 

 

3.なるべく遠くへ届けようとしてしまう

全体の空間を認識することが、伝えるために大切なら、

話している場所が広ければ広いほど

なるべく遠くに届くように話せばよいと思われがちです。

 

また、ちょっと多めの人数の前で

マイクを使わずに話す時など、

声を高く張って、なるべく後ろの人にも聞こえるように!

と頑張る方もいらっしゃると思います。

 

 

ですが、どれだけ後ろの方まで声が届いていても、

伝える対象をしっかりと定めていなければ、

聞き手の耳と心を掴むことが難しいでしょう。

 

 

聞き手からしたら、

話が、頭の上を飛び越えて、

自分ではないどこか遠くに届けれられているように感じられるからです。

 

聞いている人が100人いようが、1000人いようが、

「一人」に対してしっかりと伝える場合と

心の持ち方は同じです。

 

全体の空間を認識して

目線を遠くに送ったり

多くの聞き手を順番に見ながら話すのは良いことですが、

プラス、目線の先の「一人」の人に語りかけるように話しましょう。

 

結果的に、全体にしっかりと伝えることができます。

 

聞き手に「自分に対して話をされている」という感覚を持ってもらえるよう

対象を定め、心を乗せましょう。

 


 

人前で話す注意点として、あまり重視されない「空間認識」ですが、

これを意識するだけで、話し方まで変わることがあります。

 

そして、確実に伝わり方が違います。

 

それは私が経験しているから、言えることです。

 

難しい技術ではないので、ぜひお試しください。