人前で話す時の失敗って何でしょう?【大阪/マンツーマン話し方教室】

ご覧いただきまして、ありがとうございます。
ビジネスパーソンのための「声と話し方の教室」講師の砂川顕子です。

 

プレゼンテーション・スピーチ・発表・セミナーなど、人前で話をする時、

誰もが

「失敗したくない!」

「上手くやりたい!」

と思うことでしょう。

 

 

ですが、人前で話す時の「失敗」「上手さ」って、何なのでしょうか。

 

 

「失敗したらどうしようと思うと緊張する」

とおっしゃる生徒さんがいました。

 

でもその方は、人前で話す前に、

しっかりと資料を作り、

内容を頭に入れて、

何度か練習もしてから

本番に臨んでいたのです。

 

 

そこで、

「あなたにとって、失敗とは何ですか?」

と聞いてみると、

  1. 噛んだり、言葉が詰まったりしてしまうこと

  2. 次の話がとっさに出てこなくて、無言の時間が出来てしまうこと

  3. 言うべきことを飛ばしてしまうこと

などだそうです。

 

 

確かに、上記のようなことがあると、

自分では落ち込んでしまいますよね。

 

もっと、スラスラと、詰まらずに話したいと思うでしょう。

 

 

ですが、上記のことは、

本当に致命的な失敗でしょうか?

と私は思うのです。

 

 

人前で話す時の一番の失敗は、

聞いている人に内容が伝わらなかったり、

聞き流されたり、

聞くことすらしてもらえなかったり(表面的には聞いてる風でも)

することではないでしょうか。

 

 

 

「内容が伝わらない」とは、

  • 聞き手の頭に「?」マークが出てる

  • 何が言いたいのか分からない

ような状態。

 

 

「聞き流される」というのは、聞き手は

  • 声は聞こえているけど、頭はボーっとしている

  • 違うことを考えている

  • 興味、関心が持てない

という状態です。

 

 

さらに、「聞くことすらしてもらえない」というのは、聞き手が

  • 手元の資料など下をずっと見ている

  • 眠そう

  • 周りと小声で話している

などの状態ですね。

 

 

聞いている人の大半が、こんな状態だと、

その場の空気で分かると思うのです。

 

まさに波が引いていくように、

さーっと冷めた空気が漂います(笑)

 

これこそが、「失敗した!」という状態です。

 

反対に、聞いている人にしっかりと話が伝わった時には、

無言ながら、ちゃんと反応が返ってきます。

 

波がやってくるように、聞き手の心がぐっと近くなって、

その場の空気感が温かくなります。

 

そうなると、

ちょっとぐらい噛もうが、

無言の時間があろうが、

文章がおかしくなろうが、

そんなことは話す側・聞く側ともに、全く気にならなくなるのです。

 

 

「上手く話そう!」

「失敗せずに話そう!」

と頑張っていらっしゃる方は、

「失敗」の認識を変えていただく必要があると思うのです。

 

 

「噛まないように」

「間違えないように」

「スラスラ言えるように」

と思っているうちは、

心は「自分」にあるのです。

 

これでは、聞いている人との間に壁が出来てしまいます。

 

 

「聞いている人が分かりやすいように」

「聞き手の理解のスピードに合うように」

「聞き間違いがないように」

「誤解を与えないように」

など、心を「聞き手」に合わせた時、

失敗の認識は変わってきます

 

 

そして、今「失敗」だと思っていることなんて、

ちょっとした工夫で凌げる
のです。

 

 

1.噛んだり、言葉が詰まったりしてしまう

話している最中に噛んでしまうことは、大したことではありません。

 

さほど気にしないようにしましょう。

 

言いづらい言葉があった場合、

もっと言いやすい言葉に置き換えられないか、考えましょう。

 

置き換えが無理な場合は、

ゆっくり言ったり、

前後に少しだけ間を置いたりすれば、

言いやすくなるはずです。

 

 

そして、もし噛んでしまっても、

もう一度ゆっくり言い直せば良いだけです。

 

 

2.次の話がとっさに出てこなくて、無言の時間が出来てしまう

話している途中に、一瞬頭が真っ白になって、

次に何を言うんだったっけ?

と焦ることがありますよね。

 

無言の時間が長くなると、

聞いている人を不安にさせてしまうこともあります。

 

 

とっさに次の言葉が出てこなくて焦ることは、

自分のペースでどんどん話を進めている人に多いように思います。

 

話を進めるペースが速いので、

特に緊張していると、脳がついていけなくなるのです。

 

 

ゆっくりしたペースで、

適切に間(ま)を取りながら
話しましょう。

 

 

次の話題に進む時には、聞き手の方を見て、

理解できているか、

次の話に進んでも大丈夫か、

確認してから進めましょう。

 

 

こうして、初めから聞き手を見ながら、適切な間を取って話していれば、

途中で考える無言の時間が出来たとしても、

おかしくありません。

 

聞き手にとって、違和感にならないのです。

 

 

自分自身も、ゆっくりのペースで考えながら話せるので、

焦ることもなくなるでしょう。

 

 

3.言うべきことを飛ばしてしまう

絶対に言わなければ伝わらない重要なことを

言い忘れたまま終わってしまうと、

「失敗」と言わざるを得ないです。

 

ただ、絶対に言うべきことは、

資料に載せておいたり、

メモを作ったりして、

忘れないような工夫ができる
はずです。

 

これは話し方というよりも、仕事のやり方の問題でしょう。

 

また、途中で飛ばしてしまったことに気付いたなら、

適切なタイミングで言えれば問題ありません。

 

『先ほどの〇〇のご説明で、一つ言い忘れていたことがありますので、

戻って補足させていただきます。』

 

など、落ち着いて

「どの箇所」についての補足なのかを、複数回アナウンスして

言うのが良いでしょう。

 

 

全く違う話になっているところで、言い忘れたことを言うと、

聞き手は混乱してしまうことがありますので、

話に区切りがついたタイミングで、挟みましょう。

 

 

飛ばしてしまったために途中で話が戻ってしまったとしても、

聞いている人の理解を妨げなければ、全く問題ありません。

 

落ち着いて対応しましょう。

 

 


 

人前で話す時に、完璧に話そうとする必要はありません。

 

自分が上手に話すことよりも、

聞き手にしっかりと伝えられることを目指しましょう。