聞き手に嫌な印象を与える文末の癖【大阪/マンツーマン話し方教室】

ご覧いただきまして、ありがとうございます。
ビジネスパーソンのための「声と話し方の教室」講師の砂川顕子です。

 

今回は、話の文末

つまり一文が終わる時の話し癖について書こうと思います。

 

話の文末というのは、例えば、

『~です。』

『~ます。』

『~でしょうか。』

など、

文章で言うところの句点「。」が付く場所、

話のセンテンスが一旦終わるところです。

 

 

文末は、話している中で、何十回・何百回と出てきますので、

この文末の話し方に癖があると、それはそれは耳に付くわけです。

 

そして、この文末の癖だけで、聞き手に嫌な印象を与えること必至です。

 

以下のような話し方をしていないか、チェックしてみてください。

 

  1. 文末が消える
  2. 文末が伸びる
  3. 文末が強く上がる
  4. 文末が平坦


1.文末が消える

文末が消えてしまう人を、私は一番多く見ます。

 

これは、なかなか本人も周りも気付きにくいのかもしれません。

 

消えるというのは、

『〇〇はご存知でしょう()。』

『そのため、〇〇が必要になるんで(すね)。』

上記のちょうど( )内が、

息交じりで、ほとんど声が出ていない状態です。

 

 

文末の1~2文字が消えているだけなので、

それまでの流れから、話の内容は分かるのですが、

話の最後がふわっと終わってしまいます。

よく言えば、柔らかい印象ですが、

癖として何度も続くと、

頼りない印象

自信なさげな印象

弱々しい印象

を与えてしまいます。

 

相手の気持ちを動かすよう説得する時や、

意見を主張する時などは、

特に致命的になるでしょう。

 

 

文末まで、しっかりと音として出るようにするには、

息を最後までしっかり吐き切れるように、

腹筋の支えが重要なポイントです。

 

話の終わりまで、腹筋で息をまっすぐ押し出すように、声を出しましょう。

 

 

話す時に腹筋が使えていない、

もしくは話の終わりに腹筋を緩めてしまうことで、

文末が消える癖が出やすいです。

 

 

 

2.文末が伸びる

文末が伸びる癖がある人も多いですね。

『〇〇はご存知でしょうかぁ。』

『そのため、〇〇が必要になるんでねぇ。』



 

また、このタイプの方は、

話の中の「助詞」も伸びることが多いので、

全体的に怠慢な喋り方・間延びした喋り方になってしまいます。

 

 

『〇〇はぁ、ご存知でしょうかぁ。』

『そのためぇ、〇〇がぁ、必要になるんですねぇ。』

 

 

こういった話し癖は、

若い頃に注意されて、気を付けている方も多いかもしれません。

 

聞き手には、

軽い印象

誠意のない印象

不真面目な印象

を与えてしまいます。

 

 

頭の中で一生懸命に言葉を考えて、

整理しながら話そうとすることで、

無意識に言葉を伸ばして、

“考える時間”を作っていることもあります。

 

一定のリズムのようなものが出来て、話しやすくなる面もあるでしょう。

 

 

まずは、文末だけでも短く終わらせることを意識すると、

印象が随分変わると思います。

 

伸ばす癖のある方は、文末に『っ』を入れるような意識で話してみましょう。

『~でしょうかっ。』

『~になるんでねっ。』

 

3.文末が強く上がる

強めの文末で、さらに声が少し高くなる方もいらっしゃいます。

 

『〇〇はご存知でしょうか↑。』

『そのため、〇〇が必要になるんですね↑。』

言い聞かせているような話し方ですね。

 

 

目下に対しての指導などであれば良いのですが、

そうでなければ、

押し付けがましい印象

上から目線の印象

を持たれます。

 

一番、聞き手に反感を持たれやすいタイプでしょう。

 

反感を持たれてしまうと、

聞き手は心をブロックしてしまいますので、

話自体が伝わらなくなってしまいますね。

 

 

このような癖がある方は、

文末では力を抜くよう心掛けるのも良いですが、

もっと簡単な方法は、笑顔で表情豊かに話すことです。

 

笑顔になることによって、見た目の印象が良くなることに加えて、

表情筋が上がることで、声が鼻~頭の方へ響きやすくなり、

柔らかい声に変わる効果があるからです。



4.文末が平坦

文末が平坦に終わる癖がある人は、まさに棒読みに聞こえます。

 

『〇〇はご存知でしょうか(→)。』

『そのため、〇〇が必要になるんですね(→)。』

 

そして、あまり話の抑揚がない方が多いです。

 

言葉に感情が乗らないので、

聞き手の心に働きかけるような効果が生まれません。

 

ぶっきらぼうな印象

取っつきにくい印象

共感してもらえなさそうな印象

を聞き手に与えがちです。

 

 

聞き手から興味を持ってもらえるチャンスが少なくなるので、

本人としては、緊張しながら一生懸命に話をしても、

徒労に終わることがあるでしょう。

 

 

原稿を読むことによって、文末が平坦になる癖が出てしまう場合は、

全部の言葉を原稿に書くのではなく、

箇条書きのメモにまとめて、それを見ながら、

自分の言葉で話せるように練習しましょう。

 

 

また、日本語の文は、出だしの文頭の声が高めに始まって、

文末の声は「少し低くなる・少し小さくなる」ことが多いので、

しっかりと一文(一つの話)を収束させる意識を持って、

練習してみましょう。

 

 

〇〇が必要になります。』

赤字(高) → 青字(低)に向かって、緩やかに音が下がっていって、

話が収束します。

 

 


 

文末の癖を直すだけで、話全体の印象がかなり変わります。

 

話している印象が変わるということは、

今までうまくいかなかったことが、うまくいくようになったり、

人間関係が良好になったりと、

人生が変わるきっかけになりますよ。