発表やスピーチで、原稿を”いかにも読んでいる風”にならないコツ【大阪/マンツーマン話し方教室】
ご覧いただきまして、ありがとうございます。
ビジネスパーソンのための「声と話し方の教室」講師の砂川です。
今回の内容を、動画でご覧になりたい方はどうぞ↓
(ブログのほうが少し詳しく書いています)
発表をしたり、スピーチをしたりするときに、しっかりと原稿を書いて、それを本番で読むこともあるでしょう。
緊張しやすかったり、本番で自分の言葉だけで喋れない人は、原稿があると安心しますよね。
それに、原稿にまとめることで、
- 言葉に無駄がなくなる
- 時間通りに終わる
- 話が脱線しない
などのメリットもありますから、「本番で原稿をそのまま読む」のも悪いことではありません。
ただ、「そのまま読む」だけだと、小学生の”本読み”みたいな拙い話し方になってしまったり、
話が伝わらなかったりするデメリットもあります。
正直、「読むだけ」だったら誰でもできますから、
読むだけの発表やスピーチは、仕事の評価を下げてしまう原因にもなりかねませんね。
そこで、「いかにも読んでいる風」にならずに、
まるで自分の言葉で話しているかのように聞こえて、話が伝わるコツを書いていきます。
まず、前提として、原稿を書くときには、自分が誰かに話をしているように”話し言葉”で書きましょう。
できるなら、実際にブツブツと声に出しながら、それを文字起こししていくように書くといいですね。
「自分の中から出てくる話の表現」と乖離しないように書くのが大切です。
原稿の書き方については、過去の記事でも書いていますので、
以下のリンクよりお読みください。
そのうえで、”いかにも読んでいる風”にならないために、
- 自分の言葉として発する
- 文末を下げて終わる
- 「しっかり」と「さらっと」の緩急をつける
上記の3つに気を配ってみましょう。
1.自分の言葉として発する
原稿を書く時点で、「自分の中から出てくる話の表現」を文字に起こすことができていれば、
その原稿を読んだとしても、自分の言葉として発したのと、大きな差はないはずです。
自分の話が、無駄なくまとまっているものが、原稿になっているのが理想です。
書いたものを声に出してみて違和感があるなら、修正してでも「本来の自分の話の表現」に近づけていきましょう。
例えば、原稿には『〇〇ですから、』と書いていたとしても、それが自分の言葉として違和感があるなら、
口からスッと出る『〇〇ですので、』と書き換えるほうがいいんですね。
それくらい、自分の言葉としてすんなり発することができるように、
自分の中で、原稿に書いたことを消化していきましょう。
2.文末を下げて終わる
原稿を読むときには、文末が毎回、
『○○です↑』『○○ます↑』と、声が上がって終わったり、
『〇〇です→』『〇〇ます→』と、声が平坦にふんわり終わったりしがちです。
そうすると、棒読みに聞こえて、稚拙な話し方になりますので気をつけましょう。
原稿の文末は、
『〇〇です↓』『〇〇ます↓』と、ちゃんと”終わり”と分かるように、声を下げて、ピシッと終わるように読みましょう。
単純なことなのですが、原稿を読みだすと出来ない人がいますので、
これだけでも、話の印象がずいぶん違います。
3.「しっかり」と「さらっと」の緩急をつける
文字を読むとなると、全部の言葉が”同等”に見えてしまいます。
その感覚のまま読み進めると、ずっと話のリズムが一定で、”文章を読んでいます”感が出てしまうんですよね。
そこで、原稿の内容よく吟味して、
- しっかりと伝えるべきところ
- さらっと流すところ
を考えてみましょう。
例えば、
①『今月の売上についてご報告します。』
②『今月は、前月比102%という結果となりました。』
①②の順番で読む時を考えてみます。
ここでしっかりと伝えるべき言葉は、
- ①の『今月の売上』
- ②の『前月比102%』
です。ここさえしっかりと伝われば、あとの言葉は、原稿通りでなくても全く問題ないですよね。
つまり、
①『についてご報告します』のところは、『についてです。』でも構わないし、
②『という結果となりました』のところを、『でした。』と言っても、同じです。
どう言おうが重要ではないので、さらっと流せばいいんですね。
しっかり伝えるべきところは、ゆっくり・ハッキリと話して、
さらっと流すところは、少し早めのペースで、会話の時と変わらないように言うのがいいでしょう。
「しっかり」と「さらっと」の箇所を誤らなければ、話は伝わります。
ハキハキ話そうとして、最初から最後までゆっくり・ハッキリ話してしまうと、
“原稿を読んでいる”話し方になってしまうので、気をつけましょう。
せっかくしっかりとした原稿を書かれたのに、
それを披露する時に、”ただ読んでいるだけ”になってしまうと、話として伝わらなくなって、もったいないです。
- 自分の言葉として発する
- 文末を下げて終わる
- 「しっかり」と「さらっと」の緩急をつける
この3つを意識して、”文字”を”話”に変えて伝えられるようにしましょう。