作文みたいな”話す原稿”を書いていませんか?【大阪/マンツーマン話し方教室】
ご覧いただきまして、ありがとうございます。
人前で話すビジネスパーソンのための「声と話し方の教室」講師の砂川です。
今回は、プレゼンやスピーチなど、人前で話す時に書く”原稿”に注目してみます。
話すための原稿を書く経験が豊富な人って、あまりいらっしゃらないのではないかと思います。
人前で話す機会ができた時に、とりあえず原稿を書き始めることになると思うのですが、
どうしても「話すための文章を書く」となると、「作文」のノウハウで書いてしまうんですね。
これは、日本の国語教育の弊害かも!?なんて大それたことを思ったりもします。(笑)
私たちは、小さい時から、国語で文章を読んだり書いたりすることは、よく学習しましたが、
日本語で”人前で話す”ことを教育として受けてきてないんです。
私が作文っぽいと思う原稿には、2つ特徴があります。
- 一文の中に言葉が多い
- 今、何の話をしているのか分かりづらい
1.一文の中に言葉が多い
作文でなくても、仕事の文書を書く時なども同じで、一文の中に、たくさんの単語を詰めこんでしまう人が多いです。
つまり、「読む文書」としては特に問題がなくても、
「話として聞く」となると、聞き手は一時的に情報過多で、話が分かりづらくなってしまいます。
例えば、次のような原稿を考えてみましょう。
『当社の製品は、品質にこだわっており、原材料の麻は100%国産、
経験豊富なベテラン職人が一つ一つ丁寧に、国内工場で手作りで製造しているため、
なかなか手に入らない本物志向のかた向けのバッグです。』
上記の原稿は、一文(「。」で終わるまで)の中に、ものすごい情報量なのが、お分りでしょうか?
これは、文字で見ているので、普通に理解できる文章なのですが、
“話”として聞いた時、聞き手は、一気にたくさんの”言葉”を投げかけられるため、頭で消化しきれません。
この原稿を普通に言うのに、20秒くらいでしょうか。
その20秒の間に、聞き手は、
- 品質
- 原材料
- 麻
- 100%国産
- 経験豊富
- ベテラン職人
- 丁寧に
- 国内工場
- 手作り
- 本物志向
- バッグ
と、たくさんの単語を一度に受け止めることになるのです。
そこで、これを「話すための原稿」に変えるには、一文の中に情報を一つか二つに絞りましょう。
『当社の製品は、なによりも品質にこだわっています。』
『まず、原材料の麻は100%国産です。』
『そして、工場も国内にあって、経験豊富なベテラン職人が一つ一つ丁寧に手作りしています。』
『なかなか手に入らないバッグですから、本物志向のかたにおすすめです。』
このように、話す原稿を書く時には、一文の中の情報を少なくして、聞き手が一つ一つの情報を順番に、漏れなく理解できるように工夫しましょう。
2.今、何の話をしているのか分かりづらい
ダラダラと文章を書いてしまって、話がどう転がっているのか、構成が分かりづらいのも、作文っぽい原稿の特徴です。
聞き手からすると、話の構成が分からないと、”話の迷子”になってしまいます。
今の瞬間に言っていることは理解できても、全体として何が言いたいのか?
話の中で、今は何について説明されているのか?
が分からなくなってしまします。
そうすると、要点が伝わらない、”ぼんやりした話”になってしまうんですね。
そこで、話のまとまり(章)ごとに、「導入」と「まとめ」を入れましょう。
これは、作文には書かないものですね。
例えば、
『まず、〇〇についてお話します』(導入)
(本文)
『そのため、〇〇は、△△です。』(まとめ)
『今、〇〇についてでしたが、それを踏まえて××のお話をします』(導入)
(本文)
『このように、××は、△△です。』(まとめ)
『これまで、〇〇と、××についてお話してきました。』(まとめ)
『続いては、□□を見てみましょう』(導入)
上記のように、話のまとまり(章)ごとに、今から何についての話なのか、どんな話題なのか(導入)を言って、
そのまとまりの終わりには、ここで言いたかったことをまとめます。
また、次のまとまり(章)に話が移る時には、これまでの話と、どう関連づいていたのか(導入)を言うことで、
話に流れができます。
さらに、いくつかのまとまり(章)を話した後には、これまでの振り返りとして、まとめの言葉を入れても分かりやすいでしょう。
このように、ダラダラと流れ続ける文章ではなく、話題ごとに「導入」の言葉や、「まとめ」の言葉を入れて、
それぞれの話題を関連付けていくことで、
ストーリー(流れ)がある中にも、話のまとまりや言いたいことが分かる原稿を書くことができます。
まとめ
プレゼン原稿、スピーチ原稿を書く時、無意識に、昔書いた作文のように書いてしまっていないか、チェックしてみてください。
原稿の段階では、”文字”であり”文章”ですが、
聞き手の前で話した時には、それは”音”となってその場で消えてしまうことを意識する必要があります。
聞き手に負担をかけない原稿を書けるようになりましょう。
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