滑舌練習の前に!言葉が言いやすくハッキリと聞こえるようになるポイント②【大阪/マンツーマン/ボイトレ・話し方教室】

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ビジネスパーソンのための「声と話し方の教室™」講師の砂川顕子です。

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今回の内容を動画でご覧になる場合はどうぞ↓


前回からの続きの内容です。
前回の記事を先にご覧ください。

滑舌練習の前に!言葉が言いやすくハッキリと聞こえるようになるポイント①



前回の①では、
日本語をはっきりと聞きやすく発音するには
子音を一生懸命言おうとするのではなく

母音を響かせることが大事
ということをお伝えしました。



それを踏まえた上で
今回は、例外のお話をします。



日本語には、
母音を響かせないほうが
言いやすく・聞き取りやすくなる音がある
んです!


これは、話す・伝えるプロ(アナウンス・ナレーション・声優・研修講師・CA)を目指す方などは
特に知っておくべき内容となります。

例1)『企画しています』

例として
『企画しています』と言う時を考えましょう。


全部の母音を響かせて
特に、前回の記事①でお伝えしたように
言葉の一音目「企画」の「き」の母音を響かせて話すと
次のようになります。

<サンプル音声1>すべての母音を響かせて発音した場合

※ミュートに設定していますので、小さめの音量からお聞きください


いかがでしょうか?
なんだか違和感がありませんか?


滑舌が悪く聞こえますし
日本語ネイティブではないようにも聞こえますね。



実は、

  • 『企画』の「き」
  • 『しています』の「し」
  • 『います』の「す」

は、母音「i」「u」を響かせないほうが
言いやすいし、聞きやすい音なんです。

<サンプル音声2>「き」「し」「す」の母音iuを響かせないで発音した場合

※ミュートに設定していますので、小さめの音量からお聞きください


このように日本語には
母音を響かせないほうが
言いやすく、相手にとっても聞きやすい音がある
んですね。


これを母音の無声化と言います。


母音を響かせず、
口の中で作る、息の摩擦音だけで発音します。

<サンプル音声3>母音の有声と無声の発音

※ミュートに設定していますので、小さめの音量からお聞きください


     

母音を無声化する条件

母音を響かせない(無声化する)ほうが良い音には
次の条件があります。

  • 子音KSTHPのいずれかに挟まれた母音iとuは無声化(響かせない)
  • KSTHPに付く母音iとuが文の最後にくる場合は無声化(響かせない)
  • 無声化する音は連続しない


条件で見ると難しくなりますので、
例を挙げて説明しましょう。


先に挙げた『企画しています』をローマ字にすると

Ki Ka Ku Si Te i Ma Su

となり、
赤青の色を付けた4つの母音が
上の2つの条件に当てはまる、無声化する音です。


ただし、3つ目の条件として
無声化する音は連続しないので、
青字の「u」は無声化せずに母音を響かせます。


つまり、赤字の3つの母音を無声化すると
言いやすく、聞きやすく発音できます。



頭であれこれと考えると話せなくなるので
あくまでも感覚(言いやすさ)で
覚えていきましょう。


無声化すべき音を響かせないほうが
断然言いやすいし、滑舌良く聞こえます。



たったこれだけの話の中にも
無声化する母音が3つも出てきます。

ということは、
日本語を話している中で
かなり多く無声化する母音が出てくると言えるんです。


そこをしっかりと発音できないために
言いづらい!噛みそう!になったり
聞き手にとって滑舌悪く聞こえてしまったりして
自分は滑舌が悪いのかな?
と思ってしまう方もいらっしゃるかもしれません。


例2)『進出しました』

もう一つ『進出しました』と言う時を考えましょう。


『進出しました』をローマ字にすると

Si N Syu Tu Si Ma Si Ta

となり、先程と同じく赤青の色を付けた音が
上の2つの条件に当てはまる無声化の母音です。
(拗音yが入っても条件は同じです)


ただし、3つ目の条件として
無声化する音は連続しないので、
青字の「u」は無声化せずに母音を響かせます。


つまり、赤字の母音を無声化すると
言いやすく、聞きやすく発音できます。

<サンプル音声4>「しゅ」「し」の母音uiを無声化して発音した場合

※ミュートに設定していますので、小さめの音量からお聞きください


補足として、
『進出しました』という時に
・すべての母音を響かせて発音した場合
・すべての母音をほとんど響かせないで(無声化の状態で)発音した場合
の音声サンプルも聞いてみてください。


すごく滑舌悪く聞こえたり
言葉がハッキリしないのがお分かりいただけるかと思います。


当然、とても発音しづらくなります。

<サンプル音声5>悪い例 すべての母音を響かせて発音

※ミュートに設定していますので、小さめの音量からお聞きください


<サンプル音声5>悪い例 すべての母音を無声化状態で発音

※ミュートに設定していますので、小さめの音量からお聞きください



このように
母音iとuを響かせる時と無声化する時を
区別して発音できるようになると

自分自身も言いやすく
かつ、滑舌が良く聞こえるので
話している印象も良くなります。



上でも申しましたが、
頭であれこれと考えるより
発音した時の感覚を養うのが良いです。


発音しづらい!
という言葉があった時に
無声化すべき音が隠れていないかチェックしてみてくださいね。