発声練習を”しなくても”、3週間で安定した通る声で話せるようになった事例【大阪/マンツーマン話し方教室】
ご覧いただきまして、ありがとうございます。
ビジネスパーソンのための「声と話し方の教室™」講師の砂川顕子です。
よく通る声で話すためには
腹式発声の練習をするのが通常なのですが、
今回は、
「発声練習」をしなくても安定した通る声が出るようになった生徒さんの例
をご紹介したいと思います。
腹式発声について、詳しくは過去記事に書いていますので、
下記リンクよりご覧ください。
腹式発声を身につけると、
大きい声が出る、というだけではなく、
明らかに「声の質」が変わってくるのですね。
つまり、弱々しい声や、こもっている声だったものが、
どっしりと安定感のある
聞いていて安心感のある声に変わるのです。
そうすると、
声から受ける、その人の「印象」が大きく変わります。
声が弱々しかったり、声に安定感がなかったりすると、
どうしても頼りない印象や
自信がなさそうな印象を与えてしまうんですよね。
これは、相手側が
そのような印象を明確に持つこともあれば、
無意識下でなんとなくそういうイメージを抱いていることもあるでしょう。
ですが、声に安定感が出て
よく響く声で話せるようになってくると、
話している内容も、その人の性格も変わっていないのに
落ち着いていて信頼感のある印象に変わるんですよね。
その「印象の変身」を
“発声練習をせずに”、3週間で成し遂げた生徒さんがいらっしゃいます。
しかも、その3週間は、全くレッスンをしていないんですね。
3週間ぶりにレッスンにいらっしゃったら、
第一声から、声が格段に変わっていて
私が驚いたのです。
3週間前の状態
3週間前に私が、その生徒さんに指摘したことは、
「呼吸が浅い」
ということです。
それは、一目で分かりました。
浅い呼吸で喋っているので、
レッスン前の普通の会話でさえ、声が弱々しく息交じりで、
「なにか焦っている?」
「ここまで急いで来ました?」
と思うくらい、息が上がっているような印象だったのです。
(実際には、急いで来られたわけではありません)
レッスンで発声練習をしても、
最初はあまり息が長く続きませんでした。
レッスンをしていくうちに
長い息を使って声を出せるようになってきましたが、
仕事などの日常では
「なかなかレッスンの時のように、良い声で話せない」
とのことでした。
宿題としてご提案したこと
そこで私が「家でやってください」と宿題にしたのが、
「腹式で長く息を吐く練習」です。
方法としては、
- ゆったりと座って(またはあお向けに寝ころんだ状態でもOK)
リラックスしてから、
息を吸わずに、今肺に入っている息を使って
「フーーー」と息を一定量で
まっすぐ顔の前に向かって、吐き切る - 吐き切った後、
再度全身の力を抜くと、勝手に息が肺に入ってくるので
そのまま、またまっすぐ顔の前に向かって
「フーーー」と吐き切る
を、何度か繰り返します。
続けてやりすぎると、
慣れていないと酸欠になったりするので、
『3~5回を1セットとして
休憩時間や、夜寝る前などにやってください』
ということを宿題として言いました。
「フーーー」と息を吐くところで、
本当は「ハーーー」と声を一定音量で出せるようにするともっと良いのですが、
“声を出す”となると、練習できる環境が限られてきてしまうので、
息を吐くだけでもOKとしました。
生徒さんが実践されたことと、それによる変化
この宿題に対して、その生徒さんは、
3週間毎日、腹式で長く息を吐く練習をされたそうです。
しかも、全く声を出すことなく、
息だけを吐き続けることを実践されたとのこと。
それだけで、3週間ぶりにお会いした「声」が
第一声から明らかに変わっていましたし、
なにより、その方の「印象」が変わっていました。
まず感じたのは、「自信」です。
それは、
声と呼吸がどっしり安定したことによって自信がある印象になったのか
「毎日欠かさず練習してきた」という事実が自信につながったのか
は分かりませんが、
「一皮むけた」との表現がぴったりなくらい
自信がある印象だったのですね。
そして、「落ち着き」も感じました。
やはり、呼吸が浅くて速い人は
それに合わせて喋ってしまうので、
ちょっと焦っているような印象があったり
緊張する場面では余計にそれが顕著になったりするんですよね。
それが、落ち着いた声で、落ち着いた速さで話せるようになったことで、
その人の「佇まい」も変わったように見えたのです。
ですが、生徒さんご本人には
そこまで声や印象が変わったという実感はなく、
『話すときに、声が出しやすくなった』
『喋っていて、息が苦しくなることがなくなった』
『焦っても、早く落ち着けるようになった』
ということを実感されているご様子でした。
つまり、ご本人は意識しなくても、
体が勝手に「安定感のある通る声」を出してくれている状態だったのですね。
毎日やることがポイント
実は、上記のような腹式呼吸・腹式発声の宿題は、
他の生徒さんにもよく出しているんですね。
ですが、なかなか「毎日」やる人は少ないのです。
もちろん、毎日練習することの大変さは
私も良く分かっています。
ですから、強要するわけではないのですが、やっぱり
「本当に毎日やる人」と「たまにやる、もしくはやらない人」とでは
結果に大差が出るんですよね。
そして、通る声を出すために
いつまで毎日練習をし続けなければならないのか?というと、
体が覚えてしまうまで、です。
もちろん、ずーっと毎日練習し続ければ、
その分、声が磨かれ続けるのですが、
体が一旦、腹式発声を覚えてしまえば、
練習頻度を落としても
簡単に忘れたり、元に戻ったりしなくなるのです。
3週間で声の質が大きく変わった生徒さんも、
またこの後の3週間、全く練習をしなければ
自分では分からないうちに、元に戻ってしまう可能性があります。
まとめ
今回の事例から、お伝えしたいことは、
- 毎日練習して体に覚えさせることの大切さ
- 声と呼吸は密接に関係している
- 声が変われば印象が変わる
ということです。
これゆえに、毎日、呼吸の練習を欠かさなかった生徒さんは、
声が大きく変化し、
第一声から、相手に与える印象がガラリと変わったのですね。
「発声練習」をするとなると、
声を出せる環境でなければ難しいことも多いと思います。
仕事の休憩中や移動中、ちょっとしたすきま時間にでも、
呼吸の練習だけでも繰り返していただくことで、
声、ひいてはあなたの印象が大きくアップするでしょう。