話の抑揚とは?抑揚のない話は、なぜ伝わらないのか【大阪/マンツーマン話し方教室】
ご覧いただきまして、ありがとうございます。
ビジネスパーソンのための「声と話し方の教室™」講師の砂川顕子です。
今回は、
なぜ話の抑揚は大切なのか?
ということについて、掘り下げていきたいと思います。
今回の内容を動画でご覧になる場合はどうぞ↓
話の抑揚とは?
まず、話の抑揚とは、何なのでしょうか。
簡単に言うと、
話す時の声が、話の内容に合わせて、様々に変化することです。
例えば、少し高級な食事をして、
『美味しい!でもお値段は高いよね。』
と言うときをイメージしてみましょう。
『美味しい!』と言う声は、その時の気持ちによって、
嬉しそうな高い声になったり、
声は低いけれど、息混じりに、しみじみと幸せそうな声になったり、
するでしょう。
それに続く、『でもお値段は高いよね』と言う声は、
大きな声では言えない本音のように、ヒソヒソ声になったり、
ちょっと意地悪っぽく、低い間延びした声になったり、
するのではないでしょうか。
その他、仕事のプレゼンテーションで
『この商品の特長は、なんといっても軽いことです。』
と言うときはどうでしょう。
『なんといっても』は、感情がこもって力強い声になったり、
『軽いこと』は、高めの声でゆっくりと、特長を強調したりすると、
話す人の想いや、話のポイントが分かりやすいですよね。
このように、抑揚のある話は、
話す内容(言葉)によって、
- 声の高さ
- 声の強弱
- 話すスピード
- 息の混じり具合
- 声色
などが、話しながら変化していって、緩急のついた話し方になるんですね。
話の抑揚は、”想い”を乗せるもの
「話す」からには、相手(聞き手)に「伝えたいこと」があるはずです。
それは、
- 自分の感情・気持ち
- 話の内容・強調ポイント
などでしょう。
1.自分の感情・気持ち
話の抑揚(話し方)は、心と密接ですから、
自分の感情や気持ちは、自然と声に表れやすいのです。
つまり、感情が入ると(動くと)、自然と抑揚がつくんですね。
何も意識していなくても、
プレゼントをもらったときには
『ありがとう!』と、高い声・明るい声を、テンポよく出しますし、
『ほんとに疲れた…』とつぶやくときには、
低く暗い声で、息混じりになったりします。
また、仕事で接客をする時には、
「親しみやすいと思ってもらいたい」
「印象良く映りたい」
との想いから、自然と高く明るい声でご挨拶したりしますよね。
ただ、中には、感情表現が苦手で、
声に感情が表れにくい人もいらっしゃいます。
そのような人は、
とっつきにくい印象を持たれたり、
「何を考えているのか分かりづらい」
「本当にそう思ってる?」
などと言われたりしがちです。
反対に、気持ちや感情が、声に表れすぎてしまう人は、
大げさで嘘っぽい印象や、
感情的すぎる印象を与えたりしかねませんね。
あいさつや、気楽な会話をする時に、
その場に応じて、自分の感情や気持ちが、声に表れないと(つまり抑揚がないと)
「人柄」や、「本当の想い」が伝わらなくなってしまうのです。
2.話の内容・強調ポイント
プレゼンテーション・セミナー・スピーチ・報告など、
お仕事で話す場面や、説明の場面では、
自分の感情をあらわにすることは少ないでしょう。
どちらかというと、理路整然と話したい場面も多いですから、
先述の「1.自分の感情・気持ち」が、声に自然と表れることがなく、
抑揚のない話をしてしまう人が多いです。
そんなときは、
- キーワードとなる言葉
- 数値データ
- 間違えてほしくない箇所
などを、強調するように声で表現して、
話のポイントや要点がしっかりと伝わるように、抑揚をつける必要があります。
これができないと、
たくさんの言葉を発する中で、
大事なワードも、大して重要ではない事柄も、「えーあのー」というつなぎも、
全部が同じようなトーンで、聞き手の耳に入ってくるため、
要点や内容が分かりづらい話になってしまいます。
このような、強調の抑揚は、自然には付きづらいので、
お仕事でしっかりと話す・説明するときには、
「ここが大事!・ここがポイント!」
「これを言いたい!」
「ここを間違えないで!」
という気持ちを強く持って、言葉を発するのが良いです。
気持ちで補えないところは、以下の記事を参考に、話し方のテクニックで補いましょう。
話の中で大事なポイントを確実に伝えるコツ
話に抑揚がないと言われたことありませんか?効果的な抑揚のつけ方のコツ
プレゼンやセミナーで抑揚をつけて話すことは、”感情的に話す”こととは違う
さらに、話す時の「声色」も工夫しましょう。
例えば、「問題提起」をしているのに、
明るい・あっけらかんとした声で話しても、問題だと感じてもらえませんし、
聞き手にイメージしてもらうための「事例」を挙げているのに、
サラッと速く喋ってしまっては、イメージする間もなく聞き流されるでしょう。
話している内容に合った声色で話さなければ、
聞き手は、その話に入り込むことができないのです。
抑揚のない話は、なぜ伝わらないのか
「話」は、「音」です。
一瞬で消え去ってしまいます。
聞き手は、その「音」から、言葉の意味を読み取って、話を理解していくのですが、
話す側が、しっかりと意味づけをして言葉を発しないと、
「言葉」は、ただの「音」に成り下がってしまいます。
例えば、『長期的な視点で』という言葉を発するとき、
話す側が、その言葉の意味を思い描いて、
その意味を伝えようという気持ちを込めて発しなければ、
聞き手は、
『ちょーきてきなしてんで』という単なる「音」から、
漢字や意味を読み取らなければいけなくなります。
頭を使うので、集中力が切れると、聞き流してしまったり、
聞きそびれてしまったりしますね。
声は聞こえているけれど、内容は頭に入ってこないのです。
「言葉の意味を伝えよう」という想いを持って発することで、
言葉のアクセント(声の高低)がハッキリして、自然と抑揚がつくので、
ぜひやってみてください。
そして、最も忘れてはいけないのが、
聞き手は、「言葉」だけから話の内容を読み解くのではない、
ということです。
声で表現される、話す人の気持ち・意図・ニュアンス・話の流れなどを
一緒に読み取っているのですね。
ですから、抑揚のない話は、
- 結局何が言いたいのか
- 話の中の何が大事なのか
- この話で何を伝えようとしているのか
が分かりづらく、
聞き手を混乱させてしまったり、
全く聞く気が起きない気持ちにさせてしまったり
するのです。
抑揚のある話をするには、声を磨くことも大切です。
伝わる話をするために、
様々な声を使って、伝えたいことを表現していけるようになりましょう。
詳しくは、以下のリンクよりどうぞ。
声に表情をつけて、印象良く伝わる話に!
話すためのボイトレはメリットがいっぱい!すぐにやったほうがいい7つの理由①
話すためのボイトレはメリットがいっぱい!すぐにやったほうがいい7つの理由②
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