話が「長い」と思われてしまうのは、単に喋る時間が長いからではない【大阪/マンツーマン話し方教室】
ご覧いただきまして、ありがとうございます。
ビジネスパーソンのための「声と話し方の教室」講師の砂川顕子です。
話を”聞く”側の立場だと、
「話が長いなぁ」
と感じることは、度々あるのではないでしょうか。
- 会議での、誰かの発言や説明
- 1対1での会話の内容
- セミナーやプレゼンでの話
など、場面を問わず、
話が長いと感じて、途中で飽きてしまったり、
聞く気が失せてしまうこともあると思います。
また、顕在意識ではっきりと「長い」と感じなかったとしても、
話が所々、頭上をサーっと通りすぎていくような「聞こえているけど、聞いていない」状態になったり、
グダグダと分かりにくい感覚があったりしたならば、
それは、「長い」のと同類でしょう。
そんな人の話を聞くと、「もっと端的に話してほしい」と思うものですし、
自分が話す側になった時には、「話が長い」と思われたくないですよね。
ここで面白いのが、「話が長い」と感じてしまうのは、
単に”喋っている時間”の問題や、
“文字数(言葉数)”の問題ではないということです。
ひとつ、根拠となる体験談を書いていこうと思います。
Aさんのセミナーの話
Aさんは、自身のサービス紹介のセミナーを、月に1~2回開催されていました。
私がそのセミナーに参加して、Aさんのお話を聞いたとき、
「サービスの効果を説明する話」が分かりにくく、冗長で、
せっかくの良いサービスが、参加者に伝わっていないと感じました。
セミナーの他の参加者に、その話の感想を聞いても、
「特になし」という状態で、やはり反応が薄かったのです。
そこで、私がトークスクリプト(原稿)を添削することになりました。
添削のポイント
添削といっても、私自身は、Aさんのサービス内容に詳しいわけではないので、
「話の内容そのもの」や、「Aさんの伝えたいこと」には、何も手を加えませんでした。
Aさんが話す時に使っている「言葉」も、そのまま残すようにしましたが、
唐突に出てくる感のある「言葉」だけは、
「Aさんが使っている中で、他の分かりやすい言葉」に置き換えました。
主にやったことと言えば、
- 「接続詞」や「つなぎ言葉」を入れて、話が次々とつながる(展開する)ように工夫した
- 話のニュアンスが曖昧だったり、伝わりにくいところは、
Aさんに「何を伝えたいのか」を確認しながら「言いまわし」を変えた
ことです。
添削することによって、話と話をつなげていくための言葉を付け足したので、
元のトークスクリプトよりも、言葉数が多くなったし、話す時間もほんの少し長くなりました。
その後のセミナーでの参加者の感想
その後、私が添削したトークスクリプトを基に、Aさんは同様のセミナーをされました。
その時、前回のセミナー(添削前)に参加していた人が何人か、再度参加されていました。
セミナー終了後、前回も参加されていた人から
『前回と比べて、内容を削られましたか?話が短く感じました』
と言われたとのことでした。
これはとても不思議で、
先ほども書いたように、話自体の時間は、長くなっているし、言葉数も多くなっているのです。
また、話と共に表示する資料も、前回と全く変わっていません。
それが、体感的に「短い」と感じられたのは、
- 話の筋から外れたムダな情報がなかった
- 話の流れに入り込めた
からではないでしょうか。
「話が長い」と思われないために
このように、聞き手が「話が長い」と感じてしまうのは、
ただ単に、時間や言葉数の問題ではなく、
「話が分かりにくくて、話に入り込めない」からでもあるんですね。
逆に言うと、内容はそんなに興味がないと思っていたのに、
「いつの間にか集中して最後まで聞いていた話」や、
「聞きながら、一つ一つ順に理解して、知識が積みあがっていくような話」や、
「物語の伏線を紐解くように、腑に落ちていく話」は、
時間的には長くても、そうは感じないのではないでしょうか。
そんな、「聞き手の心をつかむ話」をするための要素として、
今回、私が添削のポイントとして挙げた
- 接続詞・つなぎ言葉
- 言いまわし
のほかに、話す順序も重要です。
これらは、過去の記事に詳しく書いていますので、
ご興味がおありでしたら、ぜひお読みくださいね。
今日からすぐできる!話が伝わる、分かりやすくなる、おもしろくなる、一番簡単な方法”接続詞”①
“言いまわしの表現”を変えるだけで、言いたいことがもっと伝わる!
つかみはOK!話し始めの10秒で聞き手の心をつかむには?
話の組み立て方(話す順番)と、文章の書き方の違いとは①
話の順序として、”理由”を先に言う場合と、後から言う場合①
説得力のある話にするために、話の”筋とつながり”を考えましょう
端的に話せなくて、ダラダラと喋ってしまう人は、
単に言葉や情報を削って、短くするのではなく、
話のつながりや、言いまわしに工夫をして、「冗長に感じさせない」こともやってみましょう。