人前で話す時のあがり症克服には、まず原因を探りましょう【大阪/マンツーマン話し方教室】
ご覧いただきまして、ありがとうございます。
ビジネスパーソンのための「声と話し方の教室」講師の砂川顕子です。
プレゼンテーション・スピーチ・発表など、人前で話す時に
緊張される方は多いと思います。
もちろん、私も緊張します!(笑)
人前に出て緊張することは、体の反応として当然のことなのです。
ただ緊張するだけなら良いのですが、
緊張したせいで自分の思うように話せなくて、残念な思いをすることが続くのであれば、
対策を考えたほうがいいですね。
緊張をやわらげる方法については、
人前で緊張せずに話すために本番前に試したいこと
人前で話す時のあがり症の症状と対策
にも記載していますので、上記リンクからご覧ください。
今回は、緊張する“原因”について深く掘り下げてみたいと思います。
緊張する原因は、人それぞれに違うため、
それに対処する方法も違うからです。
皆さんは、なぜ人前で話そうとすると、
ひどく緊張して、普段通りに振る舞えないのだと思われますか?
私が思いつく、あがり症の原因は、大きく分けて以下の3つです。
- 失敗したくない
- 自信がない
- 子供時代のトラウマ
1.失敗したくない
単に「失敗したくない」と書きましたが、これは、
- 「失敗するのが怖い」
- 「以前、緊張して失敗したから、またするかもしれないと不安」
- 「他人からの評価が気になる」
- 「他人から〇〇と思われないだろうか」
などなど、
「評価」や「結果」を気にすることが、
緊張の原因になってしまっている場合のことを指しています。
皆さんは、いかがでしょうか?
私は、この気持ち、よーく分かります。
私が人前に立っておかしな緊張の仕方をする時、
このような「自意識」が自分の心を占めていることに気付いたのです。
反対に、自分の「評価」や「結果」なんて気にせずに話せている時は、
スーっと緊張が消えていくことも体験しています。
この「自意識」が緊張の原因になっている方への対策は、
意識を「自分」から、「聞いている人」へ移すことです。
人前に立って話しながら、
「自分が失敗しないだろうか」
「自分は評価されるだろうか」
「自分は…」
と考えている限り、
最後まで緊張は解けず、思うような結果を出すことができません。
そこで、「自分」ではなく、
目の前にいる「聞いている人」に意識を向けて、よく見てください。
「今の自分の話し方で理解できているかな」
「メモを取っている人がいるので、それに合わせてゆっくり進めよう」
「今の話は分かりにくかったみたいだから、補足で説明しよう」
という具合に、とにかく、聞いている人のために一生懸命考えて話すのです。
最初は、聞いている人に意識を向けて、よく見るのは、怖いと感じるかもしれません。
ですが、
「幽霊の正体見たり枯れ尾花」
と言うように、しっかり見ていないから怖い部分もあるのですね。
「聞き手をよく見る」という、最初の勇気は、怖くても必要です。
人前で話しながら、自分の心の中の主役が「聞いている人」に変わった時、
自分が緊張していることさえ忘れられると思います。
2.自信がない
元々、話すことに苦手意識のある方や、
本番までに準備時間が充分に取れなかった方などは、
「自信がない」ことが緊張につながってしまうでしょう。
- 「何を話せばよいか分からない」
- 「話さなければならないことが、頭に入っていない」
- 「練習できなかった」
など、その時々で、いろんな気持ちが出てくると思います。
自信がないことが、緊張の原因になってしまっている人は、なにより、
準備・練習をすることが第一です。
準備としては
- 原稿を書く、メモを作成するなど、ご自身の話しやすいように資料を作る
- 補足説明が必要になることを想定して、本筋の原稿以外のことも考えておく
そして、練習としては
- 本番と同様に、何度も声に出して練習する
- 前に人がいることをリアルに想像し、その人たちに伝えるように練習する
ことを納得できるまでやってみましょう。
また、物理的に準備・練習する時間が取れない方は、
話し方教室のレッスンで、
- 話すことへの抵抗や苦手意識を拭い去る
- 話す経験を積む
ことでも、自信のなさからくる緊張を克服することができると思います。
人前で話すことに慣れていない場合は、
準備や練習をあまりせずに、人前に立とうとしても、
緊張してうまく話せなくて当然なのです。
自分では、準備も練習もした!と思っていても、
やり方が間違っていたり、足りなかったりすることも多々あります。
3.子供時代のトラウマ
これは、あがり症の生徒さんのお話を聞いていて、原因の一つとして、
“子供時代の経験やトラウマ”が確かにあるな、と気付きました。
皆さんも、昔、学校でみんなの前で本読みをさせられたり、
発表をさせられたりした経験があるのではないでしょうか。
この「させられた」という部分がポイントなのですが、
自分の意志や役割に関係なく、
ただ単に授業の一環として「やらされた」という気持ちで、人前に立った経験が、
嫌な思い出を引きずることになると思うのです。
そして、学校での本読みや発表は、
とかく「その人自身」に注目が集まりがちです。
- 緊張して声も震えていた
- 間違えた
- よく噛んだ
など、話の内容ではなく、人そのものにみんなの意識が向きがちで、
その場で笑われたり、後でからかわれたりすることもありますよね。
特に周りから何も言われなくても、
自分自身が「恥をかいた」と思ってしまうこともあると思います。
意義なく人前で話して
(もちろん、授業として意味はあることなのですが、当時の本人にとっては意義がない)
一身に注目を浴び、恥ずかしい思いをしたのであれば、
人前で話すのに苦手意識が出るのも当然です。
このような経験が思い当たる方は、
大人になってから人前で話す時には、必ず役割や目的がある
ことをしっかりと心得ましょう。
そして、自分の役割や目的を、改めて明確にすると良いと思います。
例えば、
- お客様に、商品の紹介・説明をする
- 社員に対して、社内規定を説明する
- 会議では、会社のために自分の意見を発信する
- 面接では、就職・転職が成功するために自分のことを分かってもらう
など、当たり前だと思っていることでも、改めて心に刻むことが大切です。
そして、
「その役割・目的を果たすために、人前に立って話すのだ」
という意識に変えていきましょう。
話がきちんと伝わって役割・目的を果たせれば、
ちょっとぐらい噛んだり、つっかえたり、声が震えたりしたって、
取るに足らないことなのです。
皆さんの緊張の原因で、当てはまるものはあったでしょうか。
私は、どれも気持ちは分かりますし、
自分自身の緊張の原因になっていることばかりだと思います。
でも、きちんと原因を理解して、対策を取っているから、
緊張による失敗から逃れられます。
皆さんも、ぜひお試しくださいね。