ふだん気楽な会話しかしない人が、急に人前で話すときに足りないもの②【大阪/マンツーマン話し方教室】
ご覧いただきまして、ありがとうございます。
ビジネスパーソンのための「声と話し方の教室」講師の砂川顕子です。
今回は、過去記事の続きとして書いていきます。
前回の記事をまだ読まれていない方は、下記リンクよりどうぞ。
ふだん気楽な会話しかしない人が、急に人前で話すときに足りないもの①
普段、仕事でもプライベートでも、
気軽な「会話」しかしてこなかった人が、
急にプレゼンやセミナー講師、スピーチなど、
人前で話をしなければいけなくなった時、
「経験」以外にも、足りないもの(足りなくなってしまうもの)があります。
- 主語や目的語
- 息
の2つです。
前回の記事では、
「1.主語や目的語」が足りなくなってしまうことについて、書きました。
今回は、人前で話す時に
「2.息」が圧倒的に足りなくなることについて、書いていきます。
会話をするときの息の使い方
これまで、気軽な会話しかしてこなかった人は、
「たくさんの息を、長く使って話す」ということができません。
なぜなら、会話をする時には、
「息をすぐに使い切って、すぐに吸う」
ことを繰り返しながら話すことが多いからです。
例えば、次のような会話を考えてみましょう。
気軽な会話の息つぎの例
B:『それ何?』
A:『麦茶。(息つぎ)』
B:『好きなの?』
A:『好きというか、(息つぎ)熱中症対策かな。(息つぎ)飲めって言われて。(息つぎ)』
B:『お母さんに?』
A:『そう。(息つぎ)ミネラルがいいからって。(息つぎ)自分でも飲んでるし。(息つぎ)』
上記のように、気軽な会話では、
ほぼ一語ごとに、息つぎをしていることも少なくありません。
しかも、自分でも息つぎをしていることを認識できないほど、
無意識に、ごく少量の息を吸っているのですね。
息つぎというより、
普通に呼吸をしている中で、声を出していることもあるでしょうから、
「いつ息つぎをしていますか?」
と聞いても、答えられないでしょう。
このように、細切れに少量の息を吸って話している人が、
いきなり、人前で、自分主導で長く話そうとすると、
当然のように息が足りなくなるのです。
話す時に息が足りないことの弊害
人前で話す時に、
会話のような細切れの浅い息つぎしか出来ないと、
残念ながら伝わる話にはなりえません。
息が足りないと、
- 弱々しい声しか出ない。
大きな声が出ても瞬間的に声を張った時だけ。 - 息つぎをするたびに、話がブチブチと途切れて、聞きづらい。
内容が分かりにくい。 - 声の表現をつけられないので、抑揚のない話し方になる。
- ふにゃふにゃした滑舌になって、言葉が聞き取りづらい。
- 話していると、どんどん息苦しくなって話せなくなる。
などの弊害があるのです。
そして、そんな風にしか話せないと、
人前で話すことに自信が持てずに、
いつまでも苦手意識を引きずってしまうことになりかねません。
人前で話すことになったら、毎日取り組みたいこと
そこで、毎日取り組んでいただきたいのが、
「ゆったりした長い呼吸で話す」ための
体の使い方を癖づけることです。
ちょっとした隙間時間や、寝る前などに、以下のことをやってみましょう。
上半身が完全にリラックスした状態(椅子にもたれる・仰向けに寝るでもOK)で、
顔のまっすぐ前へ、フーっと、息を一定量で長く吐き切ります。
吐き切る時に、腹筋に自然と力が入るのを感じましょう。
そして、吐き切ったら、腹筋に入っていた力を抜いて、完全リラックスします。
この時に、無理に息を吸おうとしないで、息が自然と肺に入ってくるのを感じましょう。
このような長い呼吸を、3~5呼吸を1セットとして、
すき間時間や、寝る前など、毎日行なっていきましょう。
一気に何度も呼吸をすると、
慣れていないとクラクラすることがあるので、
必ず休憩を取りながら行なってください。
呼吸ができるようになったら、
フーっと息を吐いていたところで、
「ハー」などの声を長く出してみたり、
長めの文章を一息で話してみたりして、
「声を出す時には、長い息をたっぷりと使う」
ことを体に覚えさせていきましょう。
また、人前に立つ前に、この呼吸を行うことで、
ゆったりとした気持ちになれて、
緊張が緩和される効果もあります。
まとめ
これまで気楽な会話しかしていないと、
体はたくさんの息を吸って、それを使うことができていません。
会話のような、浅い細切れの呼吸で話してしまうと、
人前でしっかりと分かりやすく話すことができないのです。
毎日、長い息を使う練習をしたことで、
見違えるように堂々と話されるようになった生徒さんもいらっしゃいます。
息が変わると、声が変わるだけではなく、
醸し出す雰囲気もゆったり、堂々としてくるんですね。
ぜひお試しくださいね。
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